2019 Fiscal Year Research-status Report
Comprehensive Analysis of Molecular Characteristics of Extramammary Pagets disease
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19K16843
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
渡邉 諭美 近畿大学, 大学病院, 助教 (90742172)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 乳房外パジェット病 / Estrogen receptor / Progesterone receptor / HER2 / 網羅的遺伝子発現解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
当院における転移再発乳房外パジェット病(extramammary Paget’s disease: EMPD)の症例20例について解析を行った。免疫組織学的染色(IHC)を行ったところエストロゲン受容体陽性率は45%であった。これは既報の報告と比較して高い傾向にあった。またプロゲステロン受容体については10%の陽性率であった。HER2陽性(IHC 3+もしくはFISH陽性)の症例は30%であった。IHC/FISHの結果をもとにホルモン陽性HER2陰性(A群),HER2陽性(B群),トリプルネガティブ(C群)に分類したところそれぞれ25%,30%, 45%となった。カプランマイヤー曲線を用いた生存解析では全生存期間中央値(mOS)はA群19.2か月(3.2-NR),B群40.3月(4.13-NR), C群12.8か月(5.2-53.0)であった。B群においては抗HER2療法が選択されていた症例は4/6例でありmOSは抗HER2療法あり/なしで44.6か月(32.9-NR)/17.5か月(5.2-53.0)と抗HER療法の有用性が示唆された。NGS解析結果が得られた9例においてはそのうち3例にHER2遺伝子変異,1例にHER2遺伝子増幅が見られた。EMPDにおいて臨床経過とその遺伝子発現やそのほか分子生物学的特徴との関連を研究した報告は少なく、これらの得られたデータおよびすでに測定を終えたnCounterを用いた網羅的遺伝子発現解析結果を合わせ解析することは意義のあるものと思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究において当初予定していた内容は1.腫瘍のRNA遺伝子解析,2.腫瘍のDNA遺伝子解析,3.腫瘍の免疫組織化学検査,4.患者診療録からのデータ抽出である。これらのうち2-4についてはすでに終了,1についても測定は終えあとはデータ解析のみとなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
予定していたデータ測定はすでにすべて終了しており,RNA発現解析についてはnCounterを用いた測定を終え解析を待つのみである。令和2年度前半においてすべての解析を終了し論文化し投稿,令和2年度中のアクセプトを目指している。
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Causes of Carryover |
次年度にデータ不良によるnCounter再測定などにより次年度に追加費用が必要であることが見込まれるため。
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