2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K16989
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
滝沢 翼 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (30778874)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 頭痛 / 片頭痛 |
Outline of Annual Research Achievements |
片頭痛は若年者に好発する慢性頭痛疾患であり、有病率(約10%)、生活支障度ともに高い。片頭痛患者の一部ではストレス、生活習慣、天候の変化など何らかの頭痛発作の誘発因子を有している。本研究では片頭痛の誘発因子の実態について調査を行い、その一部については片頭痛の動物モデルとして広く認知されている皮質拡延性脱分極/抑制(Cortical Spreading Depolarization/Depression, CSD)(Harriott AM, Takizawa T, Chung DY, Chen SP. J Headache Pain 2019; 20: 45)を用いて科学的な検証を試みる。片頭痛のトリガーについて総合的な解明を行い、最終的には患者QOLの向上を目指す。 まずは、慶應義塾大学医学部神経内科頭痛外来に通院中の患者の実態調査のためにデータベースの立ち上げ、構築に取り組み、約300名の一次性頭痛患者について登録を行った。一般人口では緊張型頭痛が多いとされるが、頭痛外来に定期的に受診している患者の約8割が片頭痛であり、そのうちの約1/3に閃輝暗点などの前兆を伴っていた(滝沢,中原,柴田.第47回日本頭痛学会総会にて口演発表)。片頭痛患者の約95%において、ストレス、天候の変化、月経、睡眠、食物など頭痛に対する何かしらかのトリガーの自覚があることも明らかとなった。 片頭痛の動物モデル(CSDの測定系)のセットアップについても行い、今後の負荷実験に備えることができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データベース構築が順調に進捗し、頭痛外来通院中の患者の特徴およびトリガーを有している患者の割合についても調査することができた。概ね順調の進捗と考えられた。
|
Strategy for Future Research Activity |
片頭痛患者におけるトリガーについて更に踏み込んだ詳細な調査を予定する。臨床の現場で明らかとなったトリガーについて、基礎研究における科学的な裏付けも進めていく。
|
Causes of Carryover |
初年度は臨床のデータベースの立ち上げ、構築のエフォート率が当初の計画よりも大きくなった。トリガーの選定や基礎研究の方法論の確立には時間を要したため、片頭痛動物モデルを用いた検討は次年度以降に実施していく予定である。更なる詳細な実態調査、基礎研究の遂行にあたり、初年度に計上していた費用についても使用していく予定である。
|
Research Products
(3 results)