2019 Fiscal Year Research-status Report
3D dose measurement using Tailar-made scintillation detector
Project/Area Number |
19K17181
|
Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
安井 啓祐 藤田医科大学, 医療科学部, 助教 (50804514)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 3Dプリンタ / シンチレーション / CCDカメラ / 放射線治療 / 線量計測 / 精度管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は3Dプリンタに適用可能なシンチレーション素材の開発に取り組んだ。素材の開発、3Dプリンタによる試作品の造形、CCDカメラによる読み取りシステムを構築し、放射線線量分布の取得と素材の基礎検討を行った。 1.当初は安価で汎用性が高い熱溶解性3Dプリンタの素材開発を検討したが、シンチレーション材が熱に弱く材質として不向きであることが明らかとなった。そのため近年安価で入手可能となった光造形式3Dプリンタ用の素材開発に切り替え、化学材料メーカーと共同で素材の開発を行った。 2.無色透明のベース材にシンチレーション物質を複数付加し、シンチレーション素材を開発した。開発した素材を基に、検証用のキューブ型検出器を3Dプリンタで作成した。 3.作成した検出器を用い、6 MeVと9 MeVの治療用電子線の線量計測を実施した。電子線に対しては良好な線量直線性を示し、定量係数(R2)値は0 - 300 MUで0.994であった。50%線量深さは6 MeVで23.5 mm、9 MeVで35.2 mmであり、電離箱線量計で得た50%線量深さとの差はそれぞれ-0.2 mmと-0.8 mmで良好な一致を示した。一方で、今回開発した素材では透明度が十分ではなく、検出器の入射表面近傍で反射による線量誤差が確認された。これらの結果から3Dプリンタ用のシンチレーション素材の開発は順調に進行しており、次年度に人体型の検出器を作成できる見込みとなった。基礎検討で明らかとなった課題を解決するため、より透明度の高い素材の開発を進めている。素材開発後、X線、陽子線を用いた基礎検証を実施する予定である。 4.これらの素材開発と並行し、高分解能二次元検出器の基礎特性の検証、治療計画装置を用いた陽子線治療の線量分布検証に関する研究を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度目標とした3Dプリンタ用のシンチレーション素材の開発いおいて当初計画していた熱可塑性樹脂が使用できなかったことから、開発がやや遅れている。光造形式の素材開発に切り替えて以降は順調に進んでおり、検出器の作成と基礎特性の検証に着手している。一方で材質にはまだ検討の余地が残っており、引き続き開発が必要である。本年度末から人体形状の作成に取り組む予定であったが、次年度以降に取り組むこととした。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度早期にCT画像を用いて人体形状の再現に着手する。また最新の知見から様々な機能性3Dプリンタ素材が開発されていることが分かっており、低密度・高密度材など複雑な人体形状に適応できる新素材の応用開発を行う。また三次元線量分布計測システム構築のため、複数方向から発光強度を計測しシステムの構築を開始する。
|
Causes of Carryover |
本年度購入予定であったCCDカメラシステム一式について別研究費で取得したものを流用したこと、また三次元検出システム用ジグを研究の進捗状況に鑑み次年度購入に変更したことが理由である。 次年度は三次元演出システム用ジグの開発作成費として使用する。また研究の進捗に伴い、三次元画像を取り扱うPC、モンテカルロシミュレーションの計算資源の増強が必要となっているため計算資源の購入に使用する。
|
Research Products
(5 results)