2019 Fiscal Year Research-status Report
食道癌のCRT後再発の遺伝的機序解明とパネルによるctDNA評価法の実装性の検討
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19K17202
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
本村 有史 九州大学, 大学病院, 医員 (00826365)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | Liquid biopsy / ctDNA / 食道がん |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、食道扁平上皮癌に対する化学放射線療法(CRT)症例において、治療前後における進化機構の解明と治療抵抗性変異を同定し循環腫瘍DNA(circulating tumor DNA: ctDNA)での検出を行うことである。 進捗状況としてCRTの抵抗性遺伝子の候補としてctDNAにおいて検索対象とする遺伝子変異の絞り込みを行った。手術不能食道がん29例を1年以内の再発例を非感受性群15例、非再発例を感受性群(14例)に分けて遺伝子解析(再発前後でのマルチサンプリング全エキソーム解析)を行い下記の遺伝子変異を同定した。 ①非感受性群15例の原発巣で普遍的に認めた遺伝子変異②治療後の局所再発例(4例)で新たに認めた(治療前には同定されなかった)遺伝子変異③治療後再発例で再発時に治療前に比べ正の選択を受けていた変異遺伝子 その結果からNOTCH1など4つの変異遺伝子が再発時に新たに同定された。ただしこれらの遺伝子変異は症例間において共通しているものはなく、個々の症例に特異的なものであった。治療感受性群および非感受性群間の比較においては、NOTCH1変異が治療非感受性群において特異的かつ高頻度に認められた。全生存率についてもNOTCH1変異の有無で有意に異なっており、上記の結果と併せ、化学放射線治療の感受性と共に、再発にも関わる極めて重要な遺伝子変異と考えられ、引き続きctDNAでの評価を予定する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
同定された変異遺伝子について収集済みの血液サンプルにおいてctDNAで検出を検討する。当初自検体での検出と、過去の報告からの選出した再発・治療抵抗性に寄与する遺伝子変異をカスタマイズパネルに搭載して次世代シーケンシング(NGS)での検出を予定していたが、近年NGSより高感度な手法としてデジタル PCR(digital PCR:dPCR)の有用性が報告されている。当研究室においてもdPCR機器導入を検討中のため、これを用いた研究への方針の 変更を検討中である。そのため、血液サンプルを用いた実験の進捗が遅延している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後dPCRの機器導入に成功次第、既に採取済みの血液サンプルからctDNAを抽出し、上記遺伝子変異の検出を予定する。なお、食道CRT後再発をできるだけ早期に見いだし、みつかった時点での迅速な対応が求められていることから、「血液検体を利用した、より頻回の検査」が求められている。しかし、個別カスタムがんパネルを作成し、解析するには毎回相当の経費が想定され実現性に乏しい。本研究が最終的に高い成果をもたらすか否かは、基礎的研究と同様に、高い臨床的実装性が求められていることに着想した。したがってわれわれはdPCRをもちいた解析(1検体数千円)のシステムを構築したいと考えている。
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Causes of Carryover |
研究計画が変更となり、本研究のコアでる、ctDNAの抽出と解析を次年度以降に予定している
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[Presentation] Clinical significance of eif5 mimic protein 1 in pancreatic cancer.2019
Author(s)
Yushi Motomura, Takaaki Masuda, Kuniaki Sato, Atsushi Fujii, Akihiro Kitagawa, Hiroaki Wakiyama, Kensuke Koike, Junichi Takahashi, Dai Shimizu, Shitaro Kuramitsu, Miwa Noda, Yusuke Tsuruda, Hajime Otsu, Yosuke Kuroda, Hidetoshi Eguchi, Katsumi Sakamoto, Msakazu Hirakawa, Hiroshi Honda, Koshi Mimori.
Organizer
AACR Annual Meeting 2019
Int'l Joint Research
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