2020 Fiscal Year Research-status Report
NICU入院中の早期運動負荷による新たな早産児の発育改善への試み
Project/Area Number |
19K17313
|
Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
森 麻里 愛知医科大学, 医学部, 助教 (90825465)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 早産児 / 体組成 / 筋量 / 骨密度 / 運動負荷 / 副甲状腺ホルモン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は早産児に早期運動負荷をかけることで早産児が骨密度及び筋肉量を改善し、正期産児と同様の発育を遂げることである。そのためにはまず比較対象として、現時点での早産児の評価が必要となる。これには出生から退院または修正満期までの身長と体重の増加率、退院時の骨密度、筋肉量の測定、入院中の栄養状態などの評価が含まれる。当院周産期母子医療センター新生児集中治療室(NICU)へ入院した32週以下の早産児において、修正予定日付近および退院時における身長、体重のSD値および骨密度、血中カルシウム、血中リン、血中アルカリフォスファターゼ、尿中カルシウム、尿中リン、尿中クレアチニンを計測しデータ集計を行っている。蛋白摂取状態の評価として血中尿素窒素、血中アルブミンも同時に計測、分析を行っている。この分析により、介入前の当院入院児の身体発育状況を評価していく。これらのデータは今後予定している早産児の体組成改善の試みとしての介入研究結果の対照サンプルデータとなるため重要である。 一方で筋発育の更なる評価項目の一つとして超音波検査による大腿筋厚測定法を研究している。本研究は早産児の筋量増加を試みる研究であるが、当院には新生児の体組成を測定できる装置がないため大腿筋厚をもって筋量の評価指標とならないかを検討している。 また、骨代謝に関する評価項目の一つとして骨溶解に関連のあるとされる副甲状腺ホルモン(iPTH)の値を用いる予定だが、このiPTHは新生児での基準値の設定はない。このため当院入院児の退院時の骨密度などのデータを基にiPTHのカットオフ値の検討を行っている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
実態調査として2015年1月~2017年12月に当院へ入院した早産児の後方視的研究をおこなったが、データの欠損などのため予定症例数に達しなかったため対象期間を変更し再検討を行っている。 また、研究者の妊娠出産のため研究を一時中断中であるため。
|
Strategy for Future Research Activity |
予定している後方視的研究を研究再開後可及的速やかに行う。 介入研究において、児の運動機能評価を行える理学療法士が不在となっているため他の評価方法を検討する必要があることが課題である。
|
Causes of Carryover |
研究者の出産による研究中断により今年度支出がなかった。 次年度は介入研究開始のための資財費、学会発表、論文掲載費などに歳出予定である。
|