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2019 Fiscal Year Research-status Report

ミクログリア由来エクソソームによる神経障害性疼痛のメカニズム解明

Research Project

Project/Area Number 19K18241
Research InstitutionThe University of Tokushima

Principal Investigator

加納 史也  徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 特任助教 (40801626)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
Keywords疼痛 / マクロファージ / ミクログリア / エクソソーム
Outline of Annual Research Achievements

Sham群、疼痛群、治療群の各マウスの血清エクソソームを回収した。エクソソームマーカーのCD63,CD81,CD9と細胞質ゾル、ネガティヴマーカーのCalnexin と GM130をそれぞれWestern blot(WB)と電子顕微鏡での形態学的解析でエクソソームを同定した。Nano tracking assayで粒径と定量的濃度の変化を比較した。疼痛群ではSham群、治療群と比較し有意にエクソソーム濃度の上昇を認めた。
マウスのM0/M1/M2ミクログリア由来のエクソソームを神経細胞、シュワン細胞に添加し培養を行った。神経細胞ではM1添加群で軸索突起の伸長抑制を認め、アポトーシス反応を認めた。さらにNGFやGDNFなどの疼痛発現因子の発現増加を認めた。M2添加群では有意に伸長突起を認め、アポトーシス抑制効果を認めた。疼痛発現因子の発現はM1群よりも有意に低かった。シュワン細胞では、M1添加で増殖能や遊走能が低下した。またMCP-1やLIF、IL-6、TNF-αなどの炎症系サイトカインの発現が上昇した。対して、M2添加群は増殖能、遊走能の上昇を認めた。さらに炎症系サイトカインの上昇が抑制された。以上により、神経障害性モデルマウスはミクログリア由来エクソソームが血中に流入し、影響を及ぼしている可能性が示唆された。
マウス384 SeraMir qPCR profilerを用いて上記3群マウスの血清およびミクログリア由来エクソソームのmiRNAの発現パターンを比較した。また TaqMan Array Rodent MicroRNA A+B Cards Setを用いてmiRNAの正確な定量評価を行った。Sham群と疼痛群、疼痛群と治療群マウスでそれぞれ2倍以上増減するmiRNAの絞り込みを行った。今後は、3群の脊髄後根組織のRT-qPCRを行い個々のmiRNAの発現を比較する。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

『モデルマウスにおける血清またはミクログリア由来エクソソームの変化』については、概ね順調に実験終了している。動物モデルでのエクソソーム発現の変化の比較は終了し、エクソソームの神経細胞やシュワン細胞への影響も確認しているため、終了している。T細胞やB細胞などへの影響する予定だったが、神経細胞系への影響が十分に検討できたため、行わないこととする。しかし、今後の実験で神経障害性疼痛の原因遺伝子として神経系細胞以外の由来の検討が必要な場合は、順次行っていく。
『血清またはミクログリア由来エクソソームのmiRNAの発現』についても、概ね終了している。Sham群と疼痛群、疼痛群と治療群マウスでそれぞれ2倍以上増減するmiRANを絞り込んだが、1.5倍までの増減するmiRNAについても検討が必要だと考えられる。また3群の脊髄後根組織のRT-qPCRを行い個々のmiRNAの発現を比較は現在検証中である。

Strategy for Future Research Activity

Sham群と疼痛群、疼痛群と治療群マウスでそれぞれ2倍以上増減するmiRANをさらに絞り込みを行う。神経細胞系由来のmiRNAがin vivoで発現の増減があるか検証する。
また3群の脊髄後根組織のRT-qPCRを行い個々のmiRNAの発現を比較し、in vivoでの再現を検証する。増減したmiRNAの由来細胞をin vitroで同定する。ミクログリアやSchwann細胞、神経細胞以外にB細胞やT細胞をLPSなどの炎症誘発因子で活性化する。活性化した各細胞をqRT-PCRし、miRNAの発現の増減を比較する。また、microRNA.orgで入手可能なWeb上の予測ツールを使用し、共通標的遺伝子リストを作成する。遺伝子から細胞型特異的脳RNA-seqデータ(www.brainrnaseq.org)によって脳・脊髄に豊富に含まれる遺伝子を抽出し、実際のモデルマウスで検証する。既にSham群と疼痛群の比較は完了しており、群を増やし検証を行う。

Causes of Carryover

年度内に異動があり、実験が一次中断する期間が生じた。徳島大学での実験セットアップに時間がかかり、予定していた実験計画にわずかに遅延が生じたため、次年度使用額が生じた。消耗品(実験動物、細胞)の購入とエクソソーム内のmiRNAの定量評価に必要な Array Rodent MicroRNA A+B Cards Set v3.0を購入し実験する。増減したmiRNAの由来細胞をin vitroで同定する。microRNA.orgで入手可能なWeb上の予測ツールを使用し、共通標的遺伝子リストを作成する。

  • Research Products

    (2 results)

All 2020

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 種々の細胞由来培養上清のヒトSchwann細胞に与える影響2020

    • Author(s)
      有馬秀貴,加納史也,後藤秀一郎,橋本登,寺町順平,岩本勉,山本朗仁.
    • Organizer
      四国歯学会第56回例会
  • [Presentation] 歯髄幹細胞培養上清によるラット脊髄損傷への治療効果の検討.2020

    • Author(s)
      後野秀一郎,加納史也,有馬秀貴,橋本登,寺町順平,岩本勉,山本朗仁.
    • Organizer
      四国歯学会第56回例会

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Published: 2021-01-27  

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