2021 Fiscal Year Annual Research Report
バイオ3Dプリンタにより創出する靭帯組織体を用いて靭帯再建を目指す研究
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19K18503
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
村田 大紀 佐賀大学, 医学部, 助教 (00772683)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 靭帯再建 / バイオ3Dプリンタ / 自動伸展循環培養容器 / 靭帯組織体 / 細胞構造体 / iPS細胞由来間葉系幹細胞 / 脂肪組織由来間葉系幹細胞 / 靭帯損傷 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,靭帯損傷に対する新たな治療法の確立を目的に,バイオ3Dプリンタにより造形する細胞構造体を用いて,靭帯を再生(靭帯組織体を創出)する計画であった。 ①昨年度までの実験結果を基に,実験用ウサギ(日本白色家兎)の背部皮下脂肪組織から分離・培養した間葉系幹細胞を用いて細胞凝集塊を作製し,バイオ3Dプリンタによりチューブ状の細胞構造体を造形した。その後,自作の循環培養容器にて一定期間培養することで構造体を成熟させ,ウサギの膝蓋靭帯の欠損部に自家移植することに成功した。 ②上記①により,今年度までに21羽のウサギに自家移植した後,6週,12週,および,24週の3郡に分けて経過を観察し,肉眼所見および組織学的所見を基に,靭帯の再生について評価した。その結果,移植後の時間の経過と共に,再生組織が靭帯組織へと近似する傾向が認められた。以上により,脂肪幹細胞からなる細胞構造体を移植することで,靭帯組織を再生できる(生体内で靭帯組織体を創出できる)可能性が示唆された。 ③上記とは別に,ヒトiPS細胞由来間葉系幹細胞とヒト線維芽細胞を用いて細胞凝集塊を作製し,バイオ3Dプリンタによりチューブ状の細胞構造体を造形した。次に,自作の自動伸展循環培養容器を用いて,構造体を一定期間培養して成熟させた後に,引張試験機を用いて構造体の破断強度[N/mm^2]を測定し,力学的特性を評価した。その結果,昨年度より早い段階でより強い力学的特性を有する靭帯組織体を創出することに成功した。
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