2020 Fiscal Year Research-status Report
脊柱管狭窄症の新しい動物モデル ―病態解明、臨床症状も判断可能なラットモデル―
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19K18506
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
加藤 賢治 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (60551166)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 腰部脊柱管狭窄症 / 黄色靭帯肥厚 |
Outline of Annual Research Achievements |
腰部脊柱管狭窄症のラットモデルの開発研究をしている.脊柱管狭窄は脊椎の不安定性に惹起される微小な黄色靭帯の損傷により靭帯が肥厚することで生じることが言われている.そこで,ラット脊椎の不安定性を惹起すべく,手術によりラット脊椎の後方成分を損傷させ,不安定性を誘導し,黄色靭帯の肥厚程度を組織により評価しようと試みている. 前回,椎間関節の頭側部分である下関節突起および棘間靭帯を切除したモデルを作成した.ある程度の黄色靭帯肥厚を認めたが,目立ったものではないため,現在,尾側部分の上関節突起を切除したモデルを作成し,解析中である. 歩行解析の途中であるが,一部ラットは歩行時間の低下を認めている.コントロール群との比較が必要である.また,組織解析は安楽死後に行う必要があり,最終タイムポイントが待たれる. 一方,黄色靭帯が肥厚するメカニズムに炎症反応の関与が報告されており,黄色靭帯由来の細胞でのシグナル伝達のメカニズムを各種サイトカインを使用して研究を進めている.シグナル伝達には主要な細胞内のリン酸化酵素の関与が示唆され,日本整形外科学会基礎学術集会,Orthopaedic Research Societyでの学会報告を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ラットを用いた実験,黄色靭帯細胞を用いた研究を進められており,おおむね順調と考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
ラットを用いた動物モデルの開発においては後方要素破壊による不安定性の惹起の方法の最適化が必要である.その他の手術方法を試してみる可能性がある. 引き続き動物実験,細胞実験を推進していく.
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Causes of Carryover |
コロナ禍において研究が制限され,また学会の中止やオンライン化で旅費が減り,残高が生じました.
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Research Products
(3 results)