2021 Fiscal Year Research-status Report
鼻過敏症の病態生理におけるTRPM8の役割についての解析
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19K18760
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
清水 裕也 帝京大学, 医学部, 助手 (00770190)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 鼻過敏症 / アレルギー性鼻炎 / 血管運動性鼻炎 / TRPM8 / メントール |
Outline of Annual Research Achievements |
鼻過敏症の病態生理におけるTRP(Transient potential receptor)チャンネルの役割を解析することが本研究の目的である。特に冷気の吸入刺激は鼻症状のトリガーになることに着目し、冷覚受容に関わるTRPM8の発現、機能解析を行っている。これまでのマウスを用いた検討ではアレルギー性鼻炎モデルマウス、加齢モデルマウスの鼻組織においてTRPM8の発現が増加していることが確認され、またTRPM8のアゴニストであるメントールを点鼻すると双方のモデルマウスでくしゃみの回数が増加することが確認された。一方、TRPM8knock outマウスを用いた同様の点鼻実験では異なる結果が確認された。knock outマウスのアレルギー性鼻炎モデルではメントール点鼻に対するくしゃみの回数が増えたものの、加齢性モデルではくしゃみの回数は増加しなかった。wild typeマウスで認めた加齢によるくしゃみ回数の増加はknock outマウスでは認めなかった。このことからTRPM8の影響は加齢モデルマウスにおいてより強くあらわれるものと推測された。現在は分子生物学的な見地からメントールへの反応を調べるためにメントール点鼻後の三叉神経主知覚の反応をcfosの染色で評価している。knockoutマウスでその反応が低下するものと予想したが、今のところ予想通りの結果は得られていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
メントール点鼻後の三叉神経主知覚の反応の評価に難渋しており、実験の遂行に遅れをきたしている。
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Strategy for Future Research Activity |
メントール点鼻刺激に対する出力系の反応を調べる。具体的にはTRPM8 knockoutマウス、及びその加齢モデルマウスにおいてメントール点鼻後の上唾液核におけるc-fos陽性細胞のカウントを行い、wild typeマウスとの差異の有無について調べる。
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Causes of Carryover |
施設内にある既存の試薬で研究の一部が遂行可能であり、試薬購入に関わる費用が予定額を下回ったため。TRPM8 knockoutマウスの飼育繁殖が順調に進んでおり新規に動物を購入する必要がなくなったため。
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