2020 Fiscal Year Annual Research Report
自己硬化型β-TCP顆粒セメントによる垂直的骨造成への挑戦と骨再生医療への応用
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19K19163
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
福田 直志 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 助教 (10804156)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | β型リン酸三カルシウム / 自己硬化性 / 顆粒セメント / 垂直的骨造成 / 骨再生 / 骨再建 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、申請者が開発した自己硬化型β-TCP顆粒セメント(β-TCPGC)を用いて垂直的骨造成を実施検討することを第一の目的とし、その結果から骨再生用スキャフォールドとしての有用性を検証することを目的としている。 本年度は、前年度から引き続きβ-TCPGCを用いた垂直的骨造成実験を実施した(実験詳細は前年度の実績概要参照)。治癒期間は2週、4週、16週とし、μCT撮影後に非脱灰切片を作製、ビラヌエバ・ゴールドナー染色による組織学的観察を行った。CT画像から、術後16週まではβ-TCPGCは崩壊・飛散することなく積層された形態を維持できることを確認した。また、術後2週から4週にかけてわずかであるが母床骨からの骨伝導も確認した。組織学的には、β-TCPGC群、対照群ともに良好な組織親和性を認めた。対照群は術後2週から4週にかけて母床骨から上方へ向かって骨が伝導してきたが、それ以上の骨の伸長、骨量の増大は16週では認めなかった。一方で、β-TCPGC群は術後2週から4週にかけて材料内部へ細胞成分はほとんど侵入せず、母床骨からの骨伝導をわずかに認めるのみであった。しかしながら、術後16週の段階になるとβ-TCPGC内部に対照群と匹敵する旺盛な骨新生を認めた。 以上のことから、β-TCPGCはメンブレンやチタンメッシュなどに頼らずに形状を維持しながら単独で垂直的骨造成を可能とする新たな骨再生用のデバイスになる可能性が示唆された。しかしながら、硬化初期のβ-TCPGCは材料内に付与される気孔径が小さく、細胞や血管の早期侵入が困難であることがわかった。そのため、骨再生用スキャフォールドとしてのβ-TCPGCの汎用性拡大を目標として気孔を制御することが今後の課題である。
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Research Products
(3 results)