2022 Fiscal Year Research-status Report
最先端技術による看護ロボット開発に向けた看護師―高齢者/認知症患者の相互作用分析
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19K19735
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
飯藤 大和 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (60723921)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | コミュニケーションロボット / 脳血流 / 視線 / 高齢者 / 看護 / 音声 / 非言語 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度からの継続した到達目標として「卓越した看護師のコミュニケーションの特徴と高齢者の反応を視線解析と音声解析により明らかにすること」、および「高齢者および認知症患者の人型対話ロボットとのコミュニケーションの特徴を分析すること」を設定していた。 しかし、対象者がコミュニケーションロボットと会話する際の反応は人によって違いがあると考え、質的な分析には限界があると仮定した。そのため2022年度は対象者の反応を質的な分析のみでなく脳血流量と脈拍数の変化を用いた評価を指標として取り入れて分析を進めた。 3例の対象者について15分間の安静後、ロボットと15分間の会話を行った。会話の内容は「現在の体調について」とした。会話中は視線解析装置(Tobii)による視線情報の収集,音声解析用の音声のボイスレコーダー録音、脳活動計による心拍数(HR)・脳血流量(HbT change(left・right) )変化の測定を行った。主観的な評価のためにビデオ録画を行った。視線情報は記述統計、音声は解析ソフト(WavePad)によるdB変化の分析、脳活動は会話前・会話中・特徴的な場面の一元配置分散分析を行った。 結果、対象者の視線は共通してロボットの頭部に集中していた。音声解析では感嘆する場面や繰り返し発話する場面や同調表現を示す場面においてdBの変化が大きく見られた。脳活動では1症例において安静時に比べ会話中の方が有意に脳血流量が増加した。会話刺激による脳のニューロン活動の変化によって脳血流が変化したものと考えられた。 今年度の成果は看護の国際学会(4TH INTERNATIONAL CONFERENCE ON TECHNOLOGICAL COMPETENCY AS CARING IN NURSING AND HEALTH SCIENCES 2022)で発表を行い公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
キーワードに含まれているように本研究では高齢者とのコミュニケーション時の視線や音声を分析することが重要な課題であると考えている。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響により対象者の選定が難しく、健常な大学生での研究のみとなっている現状がある。 さらに本研究では視線解析装置、音声解析ソフト、脳活動計などの多くの機器が必要となっているため場所を変えながら効率的にデータ収集をすることが難しいことも症例数が増えない一因と考えている。結果として高齢者を対象とした実験ができておらず当初の計画からは遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は感染症対策も緩和される可能性があり、政府の指針に従った対策を講じながら高齢者など様々な年代の方からデータ収集をする予定である。研究期間の最終年度になるため積極的な研究活動をしたいと考えており、そのための現状でも最大限可能な方法での研究実施について倫理委員会の承認を取得したり必要な機器の購入などの準備は整っている状態である。
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Causes of Carryover |
本研究は高齢者とのコミュニケーション時の視線や音声を分析することである。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響により対象者が十分に集まっていない。そのため当初予定していた謝金や物品費が次年度に繰り越すこととなった。また、成果の発表のための学会参加も海外渡航が難しい状況であったことから遅れているため次年度使用額が生じた。 次年度では感染症対策も少しずつ緩和が見込まれることから政府の対策指針に則ったうえで研究データ収集、国際学会での発表、成果の論文投稿を行うため、次年度研究費と合わせて使用する予定である。
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Research Products
(1 results)