2020 Fiscal Year Research-status Report
日常生活における足関節の随意運動制御の役割 ~リズム運動機構に着目して~
Project/Area Number |
19K19877
|
Research Institution | Tohoku Bunka Gakuen University |
Principal Investigator |
沼田 純希 東北文化学園大学, 医療福祉学部, 助手 (20780464)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | リズム運動制御 / 足関節運動 / タッピング課題 / 歩行リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
円滑に随意運動を行うには,脳内の適切な時間情報処理が不可欠である.近年,時間認知における小脳や大脳基底核,前頭葉の重要性が示され,小脳疾患やパーキンソン病患者の時間処理能力の低下が報告され,これに依る,随意運動の遂行能力の低下が疑われている.本研究は,上肢で行われたこれらの研究を基に,歩行に重要な下肢のリズミカルな運動について着目し,その制御パターンの特徴と制御に関わる脳領域を明らかにすることで,歩行障害に対するリハビリテーション技術の発展を目指すものである. 2019年度に行った実験から,下肢の運動では上肢に比べて比較的長い時間間隔でも安定して運動できること,さらに下肢の逆位相性の交互運動では感覚フィードバックの条件(同期する音の有無,タップによる触覚刺激の有無)を問わず安定したリズム形成・保持が可能であることが明らかとなった. 2年目となる2020年度は,リズム形成・保持に関わると推察される運動関連脳領域の検討を近赤外分光法(NIRS)および経頭蓋磁気刺激法(TMS法)により着手した.現在は,TMS法の刺激部位,刺激強度,刺激呈示のタイミング等を確認しており,これを基に今後実験協力者で検査を実施する予定としている.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度が順調に進展したことから,2020年度の目標は,下肢のリズム形成・保持の安定に寄与する脳領域について明らかにすることとし,NIRSおよびTMS法により着手した.具体的には,実験環境の整備と,TMS法の刺激部位,刺激強度,刺激呈示のタイミング等を確認してきた.しかし,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大への対応から,人を対象とした実験の実施が困難な状況が続いており,実験協力者を募っての研究進行は滞っている.
|
Strategy for Future Research Activity |
現在は,リズム形成の運動制御に関わる脳領域を明らかにするため,NIRSおよびTMS法等の非侵襲的手法を用いた脳機能計測の準備を行っている. 今後,COVID-19に関する社会的状況が改善し実験再開の目途が立ち次第,データ計測を実施し成果の公表を行う予定である.
|
Causes of Carryover |
2020年度には,データ解析用のPC購入および成果公表のための英文校正費を支出させていただいた.2021年度の使用額については,消耗品費および成果の公表に充てる予定としている.
|
Research Products
(1 results)