2019 Fiscal Year Research-status Report
皮質脊髄路の興奮性に着眼した肩こりの病態解明と磁気刺激による介入効果の検証
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19K19878
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Research Institution | Tohoku Bunka Gakuen University |
Principal Investigator |
阿部 玄治 東北文化学園大学, 医療福祉学部, 助教 (60758118)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 末梢神経磁気刺激 / 肩こり / 皮質脊髄路興奮性 |
Outline of Annual Research Achievements |
国民病ともいわれる肩こりは筋の血液循環不全による筋緊張の亢進が原因の1つとされる。肩こりの症状を改善するために,ストレッチやマッサージが行われるが,未だ十分な治療効果が得られていない。肩こり部位における筋緊張亢進には運動野から末梢の筋を伝導する神経である皮質脊髄路の興奮性の増加が考えれるが,未だ不明である。 そこで本研究は肩こり有訴者の皮質脊髄路の興奮性を調べ,筋の硬さや肩こりの主観的評価との関係を明らかにする。さらに皮質脊髄路の興奮性の低下が期待でき,広範囲且つ深層に位置する筋へ投射する神経線維の脱分極が期待できる末梢神経磁気刺激を肩こり部に長期間行った際の効果を検討する。以上より,神経の興奮性からみる肩こりの病態の解明と,その変容を目的とした治療効果の検証を行う。 具体的には,2019年度は肩こり有訴者において,肩こりを感じる筋の皮質脊髄路興奮性と主観的評価による肩こりの程度や筋の硬さとの関係性を検討するための研究環境の整備,およびプレ実験を行うことで詳細な研究方法をつめることを目標にした。肩こりと筋の皮質脊髄路興奮性の関係を明らかにすることは,2020年度以降における肩こりに対する介入方法として皮質脊髄路の変容も考慮に入れた末梢神経磁気刺激を実施するための根拠となるデータとなる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度は本研究を実施するための倫理委員会からの承認を得た。また末梢神経磁気刺激の効果機序として深層の筋を刺激しているという根拠となるデータの取得を行った。肩こりの客観的評価として筋硬度計測装置を用いる研究に対しては実験環境を整えることができた。一方で皮質脊髄路興奮性を測定する研究においては,特にマンパワーの面において十分な実験環境を整えることができていない。(2020年度は改善の見込みあり)
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,以下のような順序で研究をすすることで,最終的には末梢神経磁気刺激による肩こりへの効果とその効果機序を明らかにしたい。 1.末梢神経磁気刺激ににおける痛みの優位性の検討 2.末梢神経磁気刺激が深層の筋収縮を誘発しているかの検討 3.肩こり有訴者の主観的評価と筋硬度計を用いた客観的評価の関係 4.肩こり有訴者の皮質脊髄路興奮性の計測による客観的評価の妥当性の検証 5.末梢神経磁気刺激による肩こりへの効果と客観的評価からみる病態解明
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Research Products
(6 results)