2021 Fiscal Year Research-status Report
心不全における新たな自律神経機能評価方法としての瞳孔対光反応の有用性の検証
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19K19884
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
野崎 康平 北里大学, 大学病院, 一般職 (30791743)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 心不全 / 心臓リハビリテーション / 自律神経 / フレイル / 高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、瞳孔の対光反応が、心不全患者における自律神経活動の評価方法として日常臨床に応用可能か否かを明らかにすることを目的として開始した。昨年度、COVID-19の流行に伴い感染予防の観点から、瞳孔機能の測定は中断した。本年度は、所属機関から許可を得られ次第測定を再開する予定としていたが、度重なる流行の繰り返しによって診療制限が断続的に続けられており、本年度においても瞳孔機能の測定は中断したままとなっている。そのため、本年度に予定していたほかの自律神経機能指標と瞳孔機能との関連の解析は完結していない。そこで、前向きにデータ収集および改正気を行うことを暫定的に断念し、後ろ向きにデータ収集及び解析を行うこととした。現在は、そのデータ収集を継続しており、次年度に本内容について発表を予定している。 一方で、補助循環を必要とした重症な心不全患者を対象とした症例報告を執筆し、International Heart Journal (impact factor 1.826)に内容が掲載された。また、他施設共同レジストリー研究であるFRAGILE-HFのデータベースを利用して解析を行い、COVID-19就航に伴い接触評価が困難な状況においても使用可能な質問紙(FRAILスケール)が心不全患者の予後予測に有用であることについてまとめ、ヨーロッパ心臓病学会のセレクションセッションでポスター発表を行い、Journal of the American Directors Association (impact factor 4.669)に論文が掲載されるなど、心不全診療の一助となることが期待されるような論文発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
瞳孔の対光反応測定を行うためには専用の機器(ゴーグル)を眼周囲にあてなければならず、SARS_CoV_2が流行している現状では、感染拡大防止の観点から、測定を中止せざるを得なくっており、データ蓄積は停滞しているが、当初の目標症例数は達成できている。また、論文発表にてその成果を発信することができ、インタビュー記事が掲載されるなど世界に向け情報発信できている。
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Strategy for Future Research Activity |
症例数は目標に到達したため、瞳孔の対光反応と運動耐容能や他の自律神経活動指標との関連、瞳孔対光反応と身体活動量の関連などについて、前向きが困難なため、暫定的に後ろ向きにデータ収集および解析を行い、その結果を発信していく予定である。
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Causes of Carryover |
旅費による出費がなかったことと、オープンアクセスジャーナルへの投稿がなかったため。次年度への繰越金として、論文掲載費や旅費として使用予定である。
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Research Products
(17 results)