2021 Fiscal Year Research-status Report
球技ゴール型プレイヤーの人数とコートの広さの工夫による体力向上に関する研究
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19K20023
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
大塚 道太 大分大学, 教育学部, 准教授 (10442386)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 学校体育 / コーチング / 体力向上 / 教材工夫 / 球技ゴール型 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、球技ゴール型でのプレイヤーの人数とコートの広さの工夫において、競技レベルの違いが、体力向上に期待される体力要素に与える影響を検討することである。本目的を達成するために、当該年度(2021年度)は、主に次の3点に取り組んだ。 ①雑誌論文を作成した。その内容は、球技ゴール型でのプレイヤーの人数とコートの広さの工夫の仕方は多岐にわたるため、まずはコートの広さの工夫に着目して、ゲーム中の移動特性に与える影響を検討した。対象は、競技レベルが高い集団のみとしたが、コートの広さが狭くなると、ゲーム中の運動量と運動強度が低下することが明らかとなった。この結果をもとに、球技ゴール型でのコートの広さの工夫による体力向上に期待される体力要素に与える影響も明らかにした。 ②本研究の基礎資料を作成した。球技ゴール型でのプレイヤーの人数とコートの広さの工夫は、学校体育の指導現場,もしくは競技スポーツのコーチング現場で行われている。そのため、本研究の基礎資料を得るために、サッカーで実施されている工夫したゲームの指導目的とその工夫の仕方についての実態調査を行った。その結果、その指導目的は,技術力と戦術力の向上を中心に複数の目的が混在して実施されており、工夫の仕方は、プレイヤーの人数とコートの広さにおいて様々な工夫がみられた。 ③実験の実施について、前年度(2020年度)に実施予定だった実験を再計画した。具体的には、様々な競技レベルが混在する集団を対象にして、球技ゴール型でのプレイヤーの人数とコートの広さの工夫が、体力向上に期待される体力要素に与える影響を検討することである。しかしながら、当該年度(2021年度)も新型コロナウイルス感染症の影響で実施できず、研究計画の再々検討が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究で計画している実験では、被験者にサッカーなどの集団スポーツの実技を行ってもらう必要がある。そのため、新型コロナウイルス感染症による被験者及び所属先への配慮から、前年度(2020年度)は当初予定していた実験計画を見送ることになった。これにより、本研究は前年度(2020年度)の時点で研究の進捗状況の遅れが生じていた。 当該年度(2021年度)も、前年度(2020年度)に見送った実験計画を実施予定であったが、新型コロナウイルス感染症の全国的な再拡大の影響により、実験が実施できなかった。当該年度(2021年度)は、本研究の実施計画の最終年度のために、本実験以外での研究手法による本研究の遂行を模索した。しかしながら、様々な競技レベルが混在する集団を対象とする本実験は、1)本研究の新規性と独創性の中核を成すもの、2)競技レベルが高い集団の研究結果と比較するためには実験条件を揃える必要があること、などから他の研究手法による本研究の遂行は難しいと判断した。 また、これまでの研究成果を学会発表や雑誌論文として取りまとめる過程において、再現性の観点から、実験デザインの見直しが指摘された。具体的には、競技レベルの高い集団を対象とした実験でのゲーム数などであり、追実験の必要性も生じている。 以上のことから、本研究の現在までの進捗状況は区分の通りである。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の進捗状況は遅れているため、補助事業期間延長を行った。これにより、2022年度は、2020年度に当初予定していた実験計画の実施を優先して行うことにより、本研究の目的を達成ができるための実験データの取得をまず目指す。具体的には、様々な競技レベルが混在する集団を対象とした球技ゴール型でのプレイヤーの人数とコートの広さの工夫が、体力向上に期待される体力要素に与える影響を検討するための実験である。 次に、競技レベルの高い集団を対象とした実験について、そのゲーム数を増やすなどの追実験を行うことにより、研究結果の妥当性をより高めることに努める。 そして、最後に、本研究の成果を、学会発表や雑誌論文を作成することによって、社会に広く公開するように努める。具体的には、まず1)様々な競技レベルが混在する集団における球技ゴール型でのプレイヤーの人数とコートの広さの工夫が、体力向上に期待される体力要素に与える影響を検討する内容についてである。次に、2)競技レベルの高い集団と様々な競技レベルが混在する集団の研究結果を比較することで、球技ゴール型でのプレイヤーの人数とコートの広さの工夫において、競技レベルの違いが、体力向上に期待される体力要素に与える影響を検討する内容である。
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Causes of Carryover |
当該年度(2021年度)では、計画していた実験に必要な物品を支出し、実験環境を整備した。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響により実験を中止せざる得なかった。そのため、予定していた旅費を支出できなかった。同様に、学会発表もオンライン開催であったために、旅費を支出できなかった。これが、「次年度使用額(B-A)」が生じた理由である。 当該年度(2021年度)は本研究計画の最終年度であったが、補助事業期間延長を行うことにより、研究計画を1年延長して研究を完遂することにした。次年度(2022年度)は、当該年度(2021年度)に実施できなかった実験を早急に行う計画をしているため、その移動のための旅費、実験に必要な備品費を優先的に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)