Improvement effect of yeast-derived gulcosylceramide on skin function by changes in intestinal flora.

2023 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 19K20185
• Research Institution: The University of Nagano
• Principal Investigator: 福永 祥子 長野県立大学, 健康発達学部, 助手 (90738478)
• Project Period (FY): 2019-04-01 – 2024-03-31
• Keywords: グルコシルセラミド / 腸内細菌叢 / 炎症性腸疾患 / フェノール

Outline of Annual Research Achievements

本研究では、皮膚の健康に寄与する機能性成分であるグルコシルセラミド（GlcCer）について、健常および腸炎時の腸内細菌叢の変化および皮膚への作用と、その関連についての検討が目的である。
ヘアレスマウスを健常、健常＋GlcCer、腸炎、腸炎＋GlcCer群に分けて動物実験を行った。2022年までに実施した動物実験では、GlcCer投与により、Disease Activity Indexスコアが有意に低値になり、腸炎の抑制作用が示唆された。皮膚のバリア機能および弾力性の測定では、群間に有意差は認められなかった。動物実験の結果から、最終年度（2023年度）に動物サンプルの解析を行うことにした。大腸内容物の細菌叢解析、盲腸内容物および血清中フェノール類分析を実施した。細菌叢解析では門レベルで比較し、腸炎の有無で有意差がある門はあったが、GlcCer投与による影響は認められなかった。今後、門より下位の分類での比較検討を行う予定である。盲腸内容物のフェノール類分析では、健常＋GlcCer、腸炎＋GlcCer群でフェノール量が低値を示したが、群間に有意差は認められなかった。p-クレゾール量は、腸炎、腸炎＋GlcCer群では検出下限以下であった。血清の分析結果では、フェノール量は腸炎群で高値を示し、他の3群は同等の数値であり、腸炎群との有意差は認められなかった。p-クレゾール量は、腸炎、腸炎＋GlcCer群で有意に低値であった。本研究の限界は、結果の個体差が大きく、各群のn数が4～6匹と少なかったことである。本研究では、GlcCerの皮膚への作用は確認できなかったが、GlcCerを投与した2群で盲腸内容物中のフェノール量が有意差はなかったが低値を示した。今後、追加実験、検討を行うことでGlcCerの腸内細菌によるフェノール産生への作用、腸炎との関連について明らかになる可能性が示された。