2021 Fiscal Year Research-status Report
高齢者における不眠予防および改善に資する至適生活習慣と運動処方の症状別検討
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19K20193
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
守田 優子 東京理科大学, 教養教育研究院野田キャンパス教養部, 講師 (50710068)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 高齢者 / 身体活動 / 運動 / 不眠症 / 睡眠 |
Outline of Annual Research Achievements |
本邦の高齢者は3人に1人が不眠症と報告されており、高齢者における不眠の原因は脳の加齢に加えライフスタイルの影響が大きい。 2021年度は、60歳以上の高齢者を対象にインターネット調査を実施した。4136名が回答を完了し、解析には無効回答と身体制限のある者を除く3768名(男性1871名、女性1897名)を用いた。調査項目は社会統計学的データ(年齢、BMI、飲酒量、喫煙習慣、カフェイン摂取量、婚姻状況、独居か否か、就労状況等、昼寝習慣等)、アテネ不眠症尺度(AIS)、ミュンヘンクロノタイプ質問紙、世界標準化身体活動質問票であった。不眠の有無(AIS≧6点)を従属変数、上記の社会統計学的変数、1日の中等度(4METs)、高強度(8METs)の身体活動時間および座位時間を独立変数としたロジスティック回帰分析を男女別に実施した。その結果、男性の不眠関連要因は座位時間であり、1日の座位時間が1時間未満の者に比して、4-7時間の者、7時間以上の者は不眠リスクが高かった。一方、女性の不眠関連要因は規則的な仕事の有無と中等度の身体活動時間であり、規則的な仕事をしていない者、1日の中等度の身体活動時間が短い者ほど不眠のリスクが高かった。男女で異なる身体活動指標が不眠の関連要因として示された。特に男性については、中等度以上の身体活動ではなく、座位時間減少がそのリスク低減に繋がることを鑑みると、過去の報告からこれまで不眠予防には運動が推奨されてきたが、家事のような4METs未満の低強度の身体活動にも注目する必要があると考えられた。 今後は、不眠の症状別の解析進めると同時に、介入実験を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症による2019年度、2020年度の研究の遅れがそのまま継続している。そのため、2021年度で終了予定であった本研究期間を1年延長する。
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Strategy for Future Research Activity |
インターネット調査の解析を進め、それを基に不眠高齢者に対する身体活動の介入研究を実施する。それと同時に、これまでの結果をまとめて国際誌に発表する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の流行および、研究代表者の妊娠出産により2019年度、2020年度の研究の遅れが生じたため、1年研究期間を延長することとなった。そのため、予算の執行にもずれが生じている。
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