2023 Fiscal Year Annual Research Report
白血球シングルセル・トランスクリプトーム解析による高精度な食品機能性評価系の確立
Project/Area Number |
19K20206
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
野原 正勝 岡山理科大学, 獣医学部, 助教 (70649996)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ポリフェノール / シングルセル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は免疫担当細胞である白血球に着目し,ヒト血液を用いた遺伝子発現解析により食品または食品の成分が生体にもたらす効果(食品の機能性)を高精度に評価するための評価系の確立を目的とし,マウスを用いた基礎実験を行った。まずマウスの血液から白血球を分離するための条件検討および白血球のシングルセル化の検討を行った。血液には白血球と赤血球のほかに小さな細胞である血小板が存在し,この血小板が白血球のシングルセル化の障害となる。本研究では,輸送による検体の劣化を防ぐことを目的として血液を細胞保存試薬と混和し,この血液を用いて赤血球凝集試薬,密度勾配分離試薬および溶血試薬による白血球の分離を試みた。この結果,赤血球凝集試薬や密度勾配分離試薬では分離ができず,溶血試薬において良好な分離が認められた。 シングルセル解析のために,弱い刺激(ストレス負荷)として飼育条件(群飼育と個別飼育)の違いによる変化を検出するための実験,われわれが日常的に摂取している食品非栄養成分であるポリフェノール類がマウスに及ぼす効果を評価するための投与実験を実施し,これらのサンプルを用いてシングルセル化とトランスクリプトーム解析を試みた。シングルセル化では対照群と試験群の細胞を異なるラベルで標識し,ひとつのレーンに2群を合わせて流した。結果,シングルセルと良質なcDNAは得られたものの,トランスクリプトーム解析において,対照群と試験群の2群を分離して比較することができず,評価することができなかった。
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