2020 Fiscal Year Research-status Report
Achieving 1-week Lifetime for 100/1000/10000 Meter Emergency Communications
Project/Area Number |
19K20250
|
Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
太田 香 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 文部科学省卓越研究員(准教授) (50713971)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 耐災害ネットワーク / D2D / ドローン / LPWAN |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、これまで注目されてこなかった災害発生時の電力不足問題に着目し、耐災害ネットワークを長期間持続でき、かつ安定性が高く、さらに広域で利用するための基盤技術を研究開発することである。本研究では、通信範囲の異なる3つのレイヤーで構成される耐災害ネットワークを提案し、2020年度は第二レイヤーであるUAV(ドローン)を無線アクセスポイントとして利用しWi-Fiを提供するための技術を中心に研究を推進した。研究成果の一部は、IEEEを主とした国際学術論文誌や国際会議にて発表した。代表的な研究業績を次の通り二件紹介する。 第一に、UAVが地上にある無線端末機器(IoT機器やスマートホン等)からデータを効率的に回収するため、深層学習を適用し無線端末機器で構成されるネットワークのステイタスを動的に予測することで最適なルーティング経路を選定し、通信環境に依存せずに効率的なデータ収集を実現した。研究成果はトップレベルのジャーナルのIEEE Transactions on Network and Service Managementにて発表した。 第二に、暗闇でもドローンが搭載カメラでリアルタイムにユーザ捜索できるようにするため、サーモグラフィーの画像を元にユーザを認識する技術を深層学習をベースとして開発した。研究成果の一部は国際会議のMSN 2020で発表し、その革新性を認められBest Paper Awardを受賞している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、提案する耐災害ネットワークにおける第二レイヤーであるUAV(ドローン)によるWi-Fiの構築に関する研究を行い、その成果の一部は査読付き国際学術論文11件、国際会議論文6件として発表し、そのうち2件はBest Paper Awardを受賞している。さらに、提案技術を適用したデモシステムの開発と実験も行うことができたため、研究進捗はおおむね順調であるといえる。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は、予定通り、提案する耐災害ネットワークにおける第三レイヤーであるLPWAN(Low Power Wide Area Network)を用いた省電力な長距離ネットワークに関する研究を中心に推進する。前年度までに開発してきた第一レイヤーと第二レイヤーの技術を組み合わせてのシステム最適化や各技術の改良も行う。
|
Causes of Carryover |
当初予定していた出張や国際会議への参加が新型コロナウィルスの影響を受けて中止またはオンライン開催となったため、計上していた予算が次年度に繰越となった。また、実験の内容も同じ理由で変更となったが、研究計画自体に大幅な変更を生じることはなかったため支障なく研究を進めることができた。次年度以降の研究計画にも特に変更はなく、前年度の研究費も含め、当初の予定通りの計画を進めていく。
|