2021 Fiscal Year Research-status Report
Achieving 1-week Lifetime for 100/1000/10000 Meter Emergency Communications
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19K20250
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
太田 香 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 文部科学省卓越研究員(准教授) (50713971)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 耐災害ネットワーク / UAV / LPWAN |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、耐災害ネットワークを長期間持続でき、かつ安定性が高く、さらに広域で利用するため、通信範囲の異なる3つのレイヤーで構成される耐災害ネットワークを提案した。 2021年度は、前年度に引き続き第二レイヤーであるUAV(ドローン)を無線アクセスポイントとして利用しWi-Fiを提供するための技術を研究したほか、第三レイヤーであるLPWANを用いた長距離通信に関する技術の研究開発に取り組んだ。研究成果の一部はIEEEを主とした国際学術論文誌や国際会議にて発表したほか、デモシステムを開発し実機実験を行った。代表的な研究業績を次の通り三件紹介する。 第一に、UAVを経由したユーザ間のメッセージ伝送において、エネルギーコストと遅延とユーザのソーシャル的な関係性をすべて考慮することで、より現実的で効率的な伝送手法を提案し、研究成果の一部はトップレベルの国際論文誌であるIEEE Transactions on Green Communications and Networkingにて発表した。 第二に、第三レイヤーにおける研究開発では、低ビットレートのLPWANをベースとしながら、動画を送信できる仕組みを考案し、実機による実験に成功した。 第三に、派生技術として災害時におけるスマートグリッド技術である電力分配スケジューリングについて考案し、研究成果の一部をフラグシップの国際会議である2021 IEEE GLOBECOMで発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、2020年度で終了予定であった第二レイヤーであるUAV(ドローン)によるWi-Fiの構築に関する研究が想定以上の進展があったため2021年度も継続した。研究成果の一部は査読付き国際学術論文18件、国際会議論文1件として発表している。さらに、当初予定である第三レイヤーに関する研究についても取り組むことができ、提案技術を適用したデモシステムの開発と実験も行うことができたため、研究進捗はおおむね順調であるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、提案する耐災害ネットワークにおける第三レイヤーであるLPWAN(Low Power Wide Area Network)を用いた省電力な長距離ネットワークに関する研究を中心に推進する。前年度までに開発してきた第一レイヤーと第二レイヤーの技術を組み合わせてのシステム最適化や各技術の改良も行う。
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Causes of Carryover |
当初予定していた出張や国際会議への参加が感染症の影響を受けて中止またはオンライン開催となったため、計上していた予算が次年度に繰越となったが、研究計画自体に大幅な変更を生じることはなかったため支障なく研究を進めることができた。今後も当初の研究計画に特に変更はなく、前年度の研究費も含め、予定通りの計画を進めていく。
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