2020 Fiscal Year Research-status Report
カテゴリ未学習物体を逐次的に追加学習するための物体検出・追跡手法の開発及び評価
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19K20299
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
小篠 裕子 東京電機大学, システム デザイン 工学部, 助教 (20782098)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 未知物体 / 物体検出 / NMS |
Outline of Annual Research Achievements |
多くの物体検出の手法では,重複した検出を取り除くために Non-Maximum Suppression (NMS) と呼ばれる後処理を行っている.単純な NMS では重複していない検出が検出結果から取り除かれる場合があり,これを防ぐために様々な NMS の手法が提案されている.しかし,これらの手法は学習データに存在しないクラス (未知クラス) については十分に考慮していない.そこで本研究では,未知クラスの物体が検出結果から外されにくい NMS の手法を提案した.実験では未知クラスを含むデータセットを構築し,提案手法の有効性を検証した. 提案手法の具体的内容を以下に説明する.異なる物体の検出領域が重なり合った場合でも,2つの検出領域の特徴ベクトルが異なれば,2つの特徴ベクトルの L1距離の値は大きくなる.そこで提案手法では,2つの検出領域の IoU に加え,ネットワークを使って抽出した 2つの特徴ベクトルの L1距離を検出領域の同一物体判定のための指標に用いる.IoUの値が 閾値以上,かつ,評価指標が閾値以上であれば,そのペアを同一物体の検出領域とみなす.特徴ベクトルのL1距離を用いることで,異なる2つの物体の検出領域が重なり合った場合でも,それぞれの検出領域の特徴ベクトルの L1 距離の値が大きければ,評価指標の値が小さくなるため,別の物体の検出領域と判断できる.このとき,未知クラスの物体に対しても有効な特徴ベクトルが抽出できていれば,未知クラスの物体の検出領域が誤って検出結果から取り除かれることを防ぐことができる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究進捗は計画からは現在やや遅れているが,計画にはなかった,本研究から派生した研究内容についての成果も出ており,成果としては少なくないと考えている. 研究進捗は遅れている理由は,本研究が研究の軸としている,未学習物体の検出が想定よりも困難であったことが挙げられる.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の軸となる未学習物体の検出は,従来研究も未だなかなか増えない非常に困難な問題である.本研究テーマ後半に実施予定である,未学習物体の学習についての既存研究は増えつつあるが,その前提となる未学習物体の検出は,ほとんどの既存研究においてはできていることが前提となっており,その方法については議論されていない.本研究の進捗は計画と見比べると遅れ気味であるが,未学習物体検出の後に計画している未学習物体の学習部分においては,議論が進みつつあるため,未学習物体検出に時間をかけ,問題を議論することは研究全体において非常に有用であると考えており,引き続き研究を実施する予定である.
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Causes of Carryover |
研究の進捗により,大規模演算を必要とする比較評価が必要となり,計算リソースの追加購入を行ったため,物品費が計画よりも高くなった.一方,新型コロナウイルスの影響により.国内外出張が不可能となるケースが多々あるため,出張費の予算を抑えることは可能となるだろう.
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Research Products
(3 results)