2020 Fiscal Year Research-status Report
飽きの発生と解消のメカニズムを検討する実験心理学的研究
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19K20385
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
富田 瑛智 大阪大学, 人間科学研究科, 助教 (90724295)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 飽き / 好意度 / 反復接触 / 整理指標 / オンライン実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,心的な飽きの発生と解消に関わる要因を主観と生理の両側面から検討することである。飽きの解消に焦点を当て,繰り返し接した対象に発生した飽きの時間的変化について検討する。特に対象に繰り返し接することで生じる飽きについての先行研究では提示時間や繰り返し回数を変数として,飽きの発生を検討していた。一方でその飽きが解消される過程についてはほとんど検討されていない。 2年目はまず昨年度取得した瞳孔径と主観評定データの再分析を行い,飽きを取得するための実験方法と生理データの検討を重ねた。文献調査及び再分析の結果から,生理側面からの選好の変化を検討するため,新に表情筋計測デバイスを導入した。しかし,新型感染症の広がりから,実験室実験の実施が難しくなったため,オンライン実験により実験手法の再検討を進めた。 5回のオンライン実験を実施し,その有効性の検証を進めた。その結果,ある程度問題なく検証可能であることが示されたが,大学での実験室実験に比べ年齢層の幅が広くデータに大きなばらつき(個人差)が生じていた。次年度はオンライン実験による検証を進めるとともに,実験室実験を実施し,生理データとの対応を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
生理計測デバイスを導入したが,新型感染症の影響により検証実験が実施できなくなった。オンライン実験に移行し,実験を進め,感染症が収まり次第,実験室実験を再開し生理と主観の両側面から検討を進める。
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Strategy for Future Research Activity |
新に導入した生理計測デバイスを用いて検証を進める予定だが,新型感染症の影響から,オンライン実験を重点的に実施する方向に変更する可能性が高い。オンライン実験による検証可能性の検討も進める。加えて,研究代表者の研究機関の異動も生じたが,研究計画全体の進捗は遅れが少ないように努める。
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Causes of Carryover |
新型感染症の広がりにより実験室実験からオンライン実験に移行したこと,学会がオンライン開催や中止になったことから,人件費および旅費に大きな残額が生じ,次年度使用額が生じた。 次年度は,新型感染症の影響が少なくなった場合は,停滞していた実験室実験の実験参加旅費や学会参加費として利用する。継続して新型感染症の影響が残る場合は,オンライン実験費用及び実験室実験を実施するための感染症対策にその費用を充てる予定である。
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Research Products
(6 results)