2020 Fiscal Year Research-status Report
世界遺産の参詣道「熊野古道」を歩くことで得られる意味深い心理的経験の実証研究
Project/Area Number |
19K20568
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
伊藤 央二 和歌山大学, 観光学部, 准教授 (00736861)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | スポーツツーリズム / 観光行動 / 感嘆喚起経験 / 世界遺産 / 熊野古道 / 生理心理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではアクティブスポーツツーリズムを通して得られる意味深い心理的経験を,世界遺産でもあり,参詣道でもある熊野古道を対象に明らかにすることを全体の研究目的としている。 研究プロジェクトの2年目にあたる令和2年度には,次年度の実験調査で使用する写真や動画といった資料採集を熊野古道で数回に渡り実施した。また,昨年度に引続き,関連文献のレビューを進め,次年度以降の質問紙調査で使用する質問項目の選定を行った。これらの質問項目に関して,バックトランスレーションを用いて,英語から日本語へと翻訳を行った。加えて,研究プロジェクトの3~4年目に実施予定の調査で使用する実験機材を買い揃えることができた。 なお,昨年度に行った質問紙調査の成果(世界遺産の参詣道「熊野古道」を歩くことで得られる感嘆喚起経験)を国内学術雑誌「観光学」に,観察調査の成果(Understanding cultural variations in outdoor tourism behaviours for outdoor sport tourism development: A case of the Blue Mountains National Park)を国際学術雑誌「Tourism Planning & Development」に掲載することができた。 新型コロナウイルス感染症の影響のため,研究協力者がいるオランダおよびカナダへの出張を取りやめたが,電子メールやオンラインビデオで連絡を取り合っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り,研究プロジェクトの2年目にあたる令和2年度に質問項目を選定することができた。なお,当初の予定ではオンライン調査を用いて質問項目を開発する予定であったが,先行研究のレビューを通して,最新の研究論文にて本プロジェクトの調査に適応可能な質問項目を見つけることができたため,その質問項目をバックトランスレーションを通して翻訳し,本研究で援用することにした。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度には,前年度に撮影した熊野古道の動画を用い,VRゴーグルを用いた実験調査を夏に行う予定である。その調査結果を国内学会もしくは国際学会で発表し,論文を学術雑誌へ投稿予定である。 また,年度内に新型コロナウイルス感染症が収束すれば,研究協力者がいるオランダおよびカナダへの出張を行う予定である。
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Causes of Carryover |
学内インセンティブ経費や独立基盤形成支援(試行)が潤沢にあったため,そちらの財源を優先的に使用したため次年度使用額が生じた。また,昨年度から予定していたオランダ出張やカナダ出張,東京出張が新型コロナウイルスの影響により,今年度もキャンセルとなったことも大きく影響している。また,当初の予定であったオンライン調査を用いた質問項目開発が,先行研究のレビューの結果より,不要になったことも1つの一因となっている。 使用計画として,キャンセルとなったオランダ出張やカナダ出張,その他の国内出張を予定している。特に,両国外出張計画はコロナウイルスの状況を考慮しながら今年度の実施を判断する。また,次年度使用額を用いて,今年度に行う実験調査のサンプル数の増加等も予定している。
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Research Products
(2 results)