2019 Fiscal Year Research-status Report
集約期における拡張型団地コミュニティの形成手法の開発
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19K20614
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
籔谷 祐介 富山大学, 学術研究部芸術文化学系, 講師 (40730825)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 集約化 / 集合住宅団地 / 地域活動 / 共用空間 / コミュニティデザイン / 実証実験 / まちづくり / 団地再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、集約化が計画されている公的集合住宅団地において、団地の共用空間マネジメントを団地居住者と団地周辺居住者が協働で行うことで、団地内外居住者がネットワークされた拡張型団地コミュニティが形成可能か検証し、それによる団地居住者への効果を明らかにすることを目的としている。 これまでに、開かれたコミュニティ活動のプログラム開発と担い手育成に向けて、共用空間を活用した第1回実証実験を実施し、その結果、拡張型団地コミュニティの形成の場としての可能性を示唆した。2019年度は、企画段階から団地居住者と協働することによって将来の担い手創出につながると考え、第2回実証実験の内容を企画するためのワークショップを計3回実施し、屋外を使って多世代が集まってブランチを楽しむというコンセプトを構築した。それをもとに、団地内外の居住者を対象とした第2回実証実験を実施し、来場者、出店者、協力者を対象としたアンケート調査によって効果検証を行った。また、それに合わせて、オリジナルテントの開発も行った。これらの主な成果として、①団地内外の新たなプレイヤーや参加者が発掘できたこと、②団地居住者と協働することにより主体性の向上と役割創出ができたこと、③拡張型団地コミュニティ形成の場としての可能性を団地居住者と共有できたことが挙げられる。一方で、④ワークショップでは回を重ねるごとに参加人数が減少したこと、⑤コミュニティ活動の担い手創出まで至らなかったこと、⑥参加者の滞在時間が短かったためより長く滞在できるプログラムの開発、⑦企画運営に携わりたい団地外居住者が参加できる仕組みづくりが課題として挙げられた。 また、2019年度日本建築学会大会や支部大会においての2018年度の研究成果をまとめ、4編口頭発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、2019年度は本研究者らのみで第2回実証実験の内容を検討する予定であったが、2020年度に実施予定であった企画ワークショップを3回実施し、団地居住者と協働で実証実験の内容が検討できたため、「当初の計画以上に進展している」と評価した。これが可能となった理由は、2018年度末に第1回実証実験の成果発表会を実施し、そこで団地居住者のニーズ把握や関係性の構築ができたためである。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、団地居住者に加え団地外居住者と協働で第3回実証実験の企画を行う計画である。そのために、団地内外居住者を対象とした企画ワークショップを実施する。その際に、2019年度の課題として挙げた、コミュニティ活動の担い手創出と、滞在時間がより長くなるコミュニティ活動のプログラム開発を目指す。ただし、新型コロナウイルスの影響でいつワークショップおよび実証実験が開催できるか分からないことが課題であり、当初の計画(実証実験は8~9月実施予定)より時期を遅らせ、安全性を十分確保した上で実施する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響で、3月に予定していた実証実験の住民報告会が開催できなくなり、旅費が不要となったため次年度使用額が生じた。これについては、2020年度に住民報告会を開催し、そのための旅費として使用する計画とする。
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Research Products
(8 results)