2019 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of web usability for amateur participation in open science projects
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19K20616
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小野 英理 京都大学, 学術情報メディアセンター, 特定講師 (80827460)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 科学コミュニケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
社会全体の科学リテラシが求められる現状に対して、本研究ではWebサイトにおける学術情報のユーザ・エクスペリエンスに焦点を当てている。特にシチズンサイエンスにおける体験に興味を持って研究を進めている。今年度はシチズンサイエンスへの入り口となる、新聞やインターネット等の学術情報の流通メディアに関して市場調査を行い、科学・技術の関心の程度(高関心層・潜在的関心層・低関心層)に応じてデータを分析した。その結果、どの関心層でもインターネットの利用は多かったが、高関心層では学術情報に触れる際に内容の分かりやすさや面白さを重視する傾向が高かったものの、低関心層ではそれと同程度に検索結果に出てくる情報に触れやすい傾向があった。低関心層にまで学術情報の展開を考えた場合には、検索性が重要となることが示唆された。またWikiなどの一方向性メディアとSNSなどの双方向性メディアを比較したところ、学術情報に関しては総じて一方向性メディアの利用や信頼性が高かった。なお、本調査はオンラインのアンケート調査のため回答の精度については限界があり、定性的調査を含めて継続する必要がある。さらに今後はシチズンサイエンスプロジェクトのWebサイトを体験する際の行動分析を行うなど、具体的なユーザ・エクスペリエンスの分析を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査対象とするプロジェクトの選定は概ね完了している。また、これらプロジェクトのWebサイトを利用する際の行動分析を行う実験環境の用意も完了した。一方で、アンケート調査の内容の精査が未了となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
推進方策について当初の計画からの変更はない。アンケート調査に一部遅れが出ているため、この対応を迅速に進める。行動分析については実験環境が用意できたため、今後は被験者の選定など具体的な実験を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
当初予定していた行動分析の実験装置の購入に関して、既存の装置・環境を使用することが認められたため、購入を見送った。不使用金額分については新規に実験計画を立て、配分が決まっている助成額と合わせて被験者の増加とデータの充実にむけた準備のために令和2年度に使用することとした。
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