2020 Fiscal Year Research-status Report
学術論文検索におけるユーザの視点に基づいたブーリアン型検索クエリ作成支援の研究
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19K20629
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
福田 悟志 九州大学, システム情報科学研究院, 助教 (10817555)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 情報検索 / 学術論文 / ブーリアン検索 / 高再現率 / 網羅性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,ユーザの情報要求が反映されたブーリアン型検索クエリを入力として,関連論文を網羅的に収集するためのランキング手法の開発を行った.具体的には,ユーザーの視点に立った高度な学術論文検索支援に関する総合的研究(15H01721)で取り組んだ網羅的な検索手法の開発を発展させ,ユーザがチェックできる数の検索結果に対して,再現率を更に改善させることができるかどうか調査した. 以前の研究との違いとして,Weiらが開発した手法以外のクエリ尤度モデルによるランキング手法やベクトル空間モデルに基づいたランキング手法によるランキング結果と,我々が開発したトピックベースのランキング手法によるランキング結果との統合を行った.また,トピックベースのランキング手法において,LDA (Latent Dirichlet Allocation)によるトピック分析に対して,SA (Simulated Annealing)法を導入した. 実験では,NTCIR-1,2テストコレクションに収録されている41件の検索課題を用い,ランキング結果の上位100, 200, 500, 1,000件を検索結果として獲得する場合に対する再現率で評価した.その結果,ベクトル空間モデルでは分散表現を用いたランキング手法,クエリ尤度モデルではLDAによるトピック分析結果を用いたランキング手法,および我々が開発したランキング手法間でほぼ同等の再現率を示した.そして,いずれの従来手法に対して,提案手法によるランキング結果を統合させることで,すべての検索条件において再現率が向上した.今後は,ベクトル空間モデルとクエリ尤度モデルにおける各ランキング手法,および提案手法による3種類のランキング結果を統合させることで,更に再現率が向上するかどうか調査する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度は,学術論文検索におけるランキング性能を向上させるための手法の開発に取り組んでいた. 一方で,ブーリアン型検索クエリの作成支援に対する有用な成果が得られていない. また,検索支援システムに対して,十分な機能を実装できていない状態である.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,論文抄録集合からANDまたはORで結合する候補語を推定する手法の開発に取り組む. さらに,クエリ作成支援システムにおいて,ユーザが快適にシステムを利用できるためのインタフェースの開発も引き続き行う予定である.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響で学会や国際会議がオンラインでの開催となり,航空機代や宿泊費等が不要となった. また,被験者を通じた実験が行えず,被験者に支払う人件費・謝金が余った. 本年度は,被験者実験を行える環境を整備し,人件費・謝金に充てる.
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Research Products
(1 results)