2019 Fiscal Year Research-status Report
The genealogy of Awaji dialects and the reconsideration of the classification of Western Japanese dialects
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19K20801
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | National Institute for Japanese Language and Linguistics |
Principal Investigator |
中澤 光平 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 言語変異研究領域, プロジェクト非常勤研究員 (90824805)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 西日本方言 / 淡路方言 / 高知方言 / アクセント / イントネーション |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き、西日本諸方言の方言区画の再検討および淡路方言の系統的位置づけの解明のため、西日本各地での方言調査を行った。 今年度の調査地点はこれまで重点的に調査を行っている兵庫県淡路島各地と高知県南国市である。 兵庫県淡路島では、アクセント句と式音調の関係について、無核文節を中心に調査した。また、助詞の縮約についても調査を行い、アクセント変化以外にも、予想しつつも確認できていなかった[tsja]という拍の存在が確認できた。アクセントとイントネーションの関係について、自然談話でしばしば出る強調的な特殊な型(例:[シ]ロイワ→シ[[ロイ]]ワ「白いよ」)を調査でもいくつか確認した。さらに、淡路方言に特徴的な語であるキキビソ「踵」について、その成立過程を詳しく検討した。 高知県南国市では、文末詞「ガ」による無核化とその範囲について詳しく調査した。また、代名詞を中心に生じるイントネーションの影響と助詞アクセントの関係についていくつか確認した。南国市では文節末のピッチがイントネーションによって下がる現象が頻繁に見られるが、特に助詞のように形態的に独立している場合に生じやすいことがわかった。また、助詞の融合についても確認し、「ワ」のみならず「オ」もしばしば融合を生じることを確認した。特殊拍がアクセント核の担い手になることはすでに確認済だが、ズー[ッ]トのように、促音に核があると見なせるような型の存在も確認した。 また、アクセントの類別体系を基にした系統関係の是非についても簡単に検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度の影響もあり、当該年度の調査が予定通り行えなかったため、当初予定していた研究については遅れが生じている。一方で、関連する研究については新たな知見が得られたため、全体としては研究は順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度調査できなかった分については、次年度に調査を行い、当初の予定を達成する見込みである。
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Causes of Carryover |
今年度予定していた調査のいくつかが年度内に実施不可能な状況になり、次年度に調査を行うことになったため。
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Research Products
(3 results)