• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2018 Fiscal Year Annual Research Report

Mechanisms of interference between different viruses

Research Project

Project/Area Number 18H06145
Allocation TypeSingle-year Grants
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

白銀 勇太  九州大学, 医学研究院, 助教 (40756988)

Project Period (FY) 2018-08-24 – 2020-03-31
Keywords相互作用 / 麻疹ウイルス / ヒトメタニューモウイルス / ミニゲノム系 / p53経路 / 酸化ストレス
Outline of Annual Research Achievements

まず麻疹ウイルスとヒトメタニューモウイルスのゲノム転写・複製能を簡便に評価できるミニゲノム系を用いて、両者の相互作用を解析した。驚くべきことに麻疹ウイルスのミニゲノム系とヒトメタニューモウイルスのミニゲノム系を同じ細胞内で機能させると、ヒトメタニューモウイルスゲノムの転写・複製が促進されることが明らかとなった。その後の解析により、麻疹ウイルスのL蛋白質(RNA依存性RNAポリメラーゼの本体)にはこれまで報告されていない「非特異的な」ウイルスゲノム転写複製促進能を持つ可能性が示唆された。
マイクロアレイを用いてL遺伝子の発現の有無における遺伝子発現量の変化を網羅的に解析したところ、酸化ストレスの除去に関わるmetallothioneinファミリー遺伝子がL遺伝子発現により減少していることが明らかとなった。このことによりL遺伝子が酸化ストレスの抑制能を持つ可能性が示唆された。またp53経路の遺伝子群が有意に減少することが示された。またp53のコアクチベーターであるANKRD1遺伝子の発現が著しく抑制されており、酸化ストレスおよびp53経路抑制メカニズムとの関りが示唆された。ANKRD1遺伝子発現の抑制については定量PCRでも確認した。酸化ストレスの低減、p53経路の抑制、ANKRD1遺伝子の発現抑制がそれぞれL遺伝子の独立した機能によるものなのか、それとも一元的に説明できるものなのかは今後の検討課題である。今後はL蛋白質と相互作用する宿主蛋白質をスクリーニングし、そのメカニズムを追求していきたいと考えている。
また麻疹ウイルスとムンプスウイルスの共感染により、ムンプスウイルスの増殖が著しく抑制されることが明らかとなった。ウイルスの侵入、ゲノム転写・複製、出芽などウイルスのライフサイクルのどのステップで阻害が引き起こされているかについて現在検討中である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初の予測通り、異種ウイルス間では協調や干渉など様々なタイプの相互作用がウイルスのライフサイクルの様々なレベルで観察されることが明らかにすることができた。
本年の研究により、「異種ウイルス間相互作用のメカニズムの解明を通してウイルスに普遍的な増殖メカニズムに迫る」という本研究目的の大前提は担保されたと考える。
ただ最終的な相互作用は多くの要素が重なり合ったその積として観察されるものであり、メカニズムの解明には従来の実験手法だけでは十分ではなく、新規の実験手法の開発にも取り組まなければならないことが課題として浮かび上がってきた。たとえば数学モデルを用いた解析やバイオインフォマティクス、次世代シークエンサー、機械学習などにより、より複雑な相互作用の解析を可能にしていかなければならない。その点を考慮して、やや遅れていると判断した。

Strategy for Future Research Activity

今後はL蛋白質のウイルス増殖に果たす役割について分子メカニズムを追求していきたいと考えている。具体的にはプロテオミクス解析を用いてL蛋白質と相互作用する宿主蛋白質を網羅的にスクリーニングし、一般的に認知されているRNA依存性RNAポリメラーゼとしての機能以外の未知の機能を解明したい。
また前述の通り麻疹ウイルスとムンプスウイルスの共感染により、ムンプスウイルスの増殖が著しく抑制されることが明らかとなった。ウイルスの侵入、ゲノム転写・複製、出芽などウイルスのライフサイクルのどのステップで阻害が引き起こされているかについて、それぞれ膜融合アッセイ、ゲノムおよびmRNA定量、ウイルス様粒子を用いた出芽アッセイなどを検討中である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2018

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] Combinatorial minigenome assays reveal cooperative effects of RNA-dependent RNA polymerases between different mononegavirus families2018

    • Author(s)
      Yuta Shirogane, Yusuke Yanagi
    • Organizer
      Japanese society of virology

URL: 

Published: 2019-12-27  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi