2019 Fiscal Year Research-status Report
小児期スポーツ外傷のギプス固定による骨脆弱化の予防を想定したアプローチ法の開発
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19K21518
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Tokoha University |
Principal Investigator |
中井 真悟 常葉大学, 健康プロデュース学部, 助教 (10825540)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ラット大腿骨 / 鍼通電 / 運動負荷 / 電気刺激 / 関節不動装置 / 関節不動化 / 骨強度試験 / Strength |
Outline of Annual Research Achievements |
本年の実験フェーズでは、小児期のスポーツ外傷後の早期復帰を図るための基礎研究として実験動物を用い、鍼通電刺激が骨強度すなわち物性に及ぼす影響について比較、検討することを目的とした。実験動物として5週齢のウィスター系雄性ラット12匹を用い、実験期間を4週間とした。さらに実験期間を前半の2週間(First period)と後半の2週間(Latter period)の2期を設けた。本実験では後肢を不動状態にする群(IM)、鍼通電刺激を施す群(EA)、対照群(CO)に分類した。なお、EA は2週間の不動期間中に鍼通電刺激を行った(IMEA)。First periodのIM およびIMEA のラットは5週齢から2週間、不動装置によって膝関節固定を行った。CO は同期間、通常飼育を行った。Latter periodは不動装置を外して2週間の通常飼育に戻し、その同期間に鍼通電を行う群をCOEAとした。その他の実験条件は前年度の報告と同様である。本報告では仮にA群(IM→CO)、B群(IM→COEA)、C群(IMEA→CO)とする。骨強度試験の結果(N=4)、Energy(mj)はA群:23.3±1.7、B群:23.3±2.7、C群:24.4±1.6であった。Stiffness(N/mm)はA群:78.8±12.0、B群:79.4±3.8、C群:102.2±10.3であった。Deformation(mm)はA群:1.4±0.1、B群:0.9±0.0、C群:0.8±0.0であった。Strength(N)はA群:51.0±5.0、B群:48.3±4.3、C群:58.8±1.7であった。Energy値においては有意な差がみられなかったが、Stiffness値とStrength値ではC群が最も高値である一方、Deformation値が最も低かった。このことから不動期間中の通電刺激によって剛性が高まり、骨強度が維持されることが分かった。組織構造の差異については現在、解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本助成に採択された後、実験室の割り当てや本学動物実験委員会の承認が得られるまで時間を要した。その間、他大学設備をお借りして実験遂行してきたが、本学での実験開始が2019年5月末となり、大幅に遅延してしまったため。 現在は3期に分けた実験系のうち、『現象の観察』と『回復期の介入』を終了しており、『予防効果の実証・解析』を実施するための実験計画を見直し、進行度の修正を図る。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに他大学で行っていた実験系は本学で実施可能となったため、『予防効果の実証・解析』を速やかに実施し、進行度の修正を図る。
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Causes of Carryover |
残額は文具代に使用する。
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