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2020 Fiscal Year Research-status Report

美術史と神経科学の協働実験美術史―カラヴァッジョ絵画の鑑賞者の心の深層を探る―

Research Project

Project/Area Number 19K21605
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

小佐野 重利  東京大学, 相談支援研究開発センター, 特任教授 (70177210)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 亀田 達也  東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (20214554)
Project Period (FY) 2019-06-28 – 2022-03-31
Keywords実験美術史 / カラヴァッジョ絵画 / 絵画鑑賞者 / 眼球運動計測 / 脳機能イメージング
Outline of Annual Research Achievements

前年度の眼球運動計測結果と特に固視fixationクラスタ分布を確認した。それより、Caravaggio絵画は主題に関わる領域に視線を集めるという作業仮説を立てた。行動・眼球運動計測実験は、前年度同様にfMRIの予備実験と位置づけ、課題画像のオリジナルの自由鑑賞を加えて、Change blindness (CB)実験を行った。計測(Tobii Pro TX600使用)実験では、見ていた箇所と固視時間などの基本的な解析と絵画の主題と関連する関心領域(ROI)を使って見た箇所の時系列パターンの解析をおこなった。被験者は24名の学生と院生。
行動結果については、CB実験での参加者の平均Accuracyは0.80、Hit率は0.61、False alarm率はほぼ0だった。
眼球運動計測で、自由鑑賞でのROIでの合計滞留時間を調べたところ、CaravaggioのほうがCaravaggeschiよりROIの滞留時間が有意に長かった(t(23) = 3.13, P = 0.0047)。またCaravaggioのほうがMondrianよりROIの滞留時間が有意に長かった(t(23) = 4.05, P = 0.0005)。 CaravaggeschiのほうがMondrianよりも滞留時間が長いが、多重比較を考慮すると有意とはいえない(t(23) = 2.20, P-unc = 0.038)。
CB実験でのROIでの合計滞留時間を分散分析により調べたところ、絵画の種類の主効果が有意(F(2,46) = 67.2, P < 0.001)、交互作用が有意(F(2,46) = 3.26, P = 0.047)だった。ROIに視線が移動する頻度を上記と同様に解析すると、有意性が上記と同じ傾向になる。
以上より、参加者はCaravaggio絵画のときにより長くROIを見ていた。この結果は作業仮説を支持する。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

今年(2020)度も新型コロナウイルス感染症の猖獗状況が続いたため、当初の計画にあったfMRIを使う本実験は、大学内施設の入構制限と、被験者が最低1時間半機器内に入って
実験者と会話しながら進める実験が予防上極めて危険なため、実施できないことになった。

Strategy for Future Research Activity

当初の最終的な計画であるfMRIを使う実験が実施できるかどうかは、ひとえに新型コロナウイルス感染症の状況次第であり、予測不可能である。
本年度中に感染症が終息に向かわない場合には、本研究の1年延長を申請することも視野に入れている。

Causes of Carryover

今年度に実施予定で計画していた被験者30名ほどを使ったfMRI実験が、新型コロナウイルスの猖獗状況の継続のため、同fMRIの設置された駒場キャンパスへの入構制限、および各被験者と実験担当者が接近状況で長時間おこなうため、感染防止上、実施できなくなった。
このため、旅費、人件費・謝金、および、その他(fMRI稼働にかかる課金)のための支出予算がそのまま繰り越された。

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Published: 2021-12-27  

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