2020 Fiscal Year Research-status Report
The Processes in which Art Activities Contribute to Social Inclusion
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19K21614
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中村 美亜 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (20436695)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | 芸術活動 / 社会包摂 / 評価 / ファシリテーション / プロジェクトデザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) 関連分野の知見の整理:イギリスの芸術人文学評議会(AHRC)の学際的研究プロジェクト "The Cultural Value Project" の成果を深く理解することが、本研究にとって重要であると考え、 _Understanding the Value of Arts and Culture_ (2016)の翻訳を行うことにした。理解が難しい点については、著者の Geoffrey Crossick 氏に確認をとりながら進めている。 (2) エピソードの収集:コロナ禍のため現場調査は難しかったが、昨年度調査を実施した東京文化会館の実践について、改めて分析を行い、国際シンポジウム(SIMM-posium 5: Brussels)で発表した。 (3) インタビュー調査:「文化庁と大学・研究機関等との共同研究事業」等と連携しながら、文化団体などにインタビュー調査を実施した。特にアーツコミッションヨコハマへのインタビューからは、芸術活動の成果・効果が、プロジェクトのデザインだけでなく、資金提供者側の助成プログラムのデザインとも深く関わっていることがわかった。また、厚生労働省「障害者芸術文化活動普及支援事業」第2回全国連絡会議への参加や、認知症ケアと関わる活動に従事している方へのインタビューからは、現場で遭遇する課題についても整理することができた。 (4) 成果公開:上記の国際シンポジウムに加え、国際文化政策学会(ICCPR)でも、イギリス、オーストラリアの研究者と評価に関するパネルディスカッションを実施した。発表の準備や振り返りでの意見交換を通して、国を超えた共通の課題が浮かびあがってきた。さらに、昨年度、一昨年度に刊行した「社会包摂×文化芸術」ハンドブックの英訳版を作成し、公開した。また、3冊目となる評価実践に関わるハンドブックを編纂し、刊行した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍により現地調査を実施することができなかったが、オンライン・インタビューを数多く実施することができ、おおむね順調に進んでいる。英語版ハンドブック2冊の公開2つの国際学会発表により、国際的な発信もできた。
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Strategy for Future Research Activity |
英語による発信や認知症関連の研究をさらに進める他、これまで刊行した3冊のハンドブックを改訂し、1冊にまとめた形で書籍化する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍でフィールドワークや学会参加のための国内外の出張ができなかったため、研究費に残額が生じた。今後は、英語による発信や書籍化などに予算を活用する予定である。
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Research Products
(11 results)