2020 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of cultural astronomy: Acceleration and integration of arts and sciences on cultural heritage, astronomical phenomena, and mathematical understanding
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19K21621
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
真貝 寿明 大阪工業大学, 情報科学部, 教授 (30267405)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥居 隆 大阪工業大学, ロボティクス&デザイン工学部, 教授 (00360199)
塚本 達也 大阪工業大学, 工学部, 准教授 (10350480)
米田 達郎 大阪工業大学, 工学部, 准教授 (30454557)
松浦 清 大阪工業大学, 工学部, 教授 (70192333)
横山 恵理 大阪工業大学, 情報科学部, 講師 (70781425)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | 天文学 / 科学史 / 文学史 / 美術史 / 思想史 |
Outline of Annual Research Achievements |
「天文文化」をキーワードにした文理融合研究を進め,広く社会へ還元することが本研究の目的である.コロナ禍で対面での研究集会を避けざるを得ない状況になったため,オンラインによる研究会開催を試み,2020年9月5日と12月5日に天文文化研究会を開催した.それぞれ招待講演2+3,その他講演2+4,参加者は35名+30名と,いずれも2019年度を上回る数字になり,裾野が広がりつつあることを実感している.研究成果は,論文投稿中1,書籍出版3,メディアへの登場3,一般向け講演・講義14,雑誌への寄稿1などとなっている.また,研究発表の方法として,個々の研究についての論文とは別に,この分野の初となる本(仮題「天文文化研究序説」)を思文閣出版より2021年12月に出版する.また,日本天文学会の会員誌「天文月報」より,本科研費の活動についての紹介記事執筆依頼があり,2021年8月号掲載予定で準備中である. 美術史の視点,科学史の視点による研究活動を本格化させた.例えば「志筑忠雄が取り組んだケイルの物理学書の位置づけ」「久保田桃水<雪之図>の構図に見る時間解釈」「明治維新直後の窮理熱」などの新たな研究に着手した.また,天文に関わる中世ヨーロッパで作られた天体観測用のアストロラーベの複製品制作も始めた.社会への成果還元としては,個々の研究分担者が講演会や出張講義・解説文掲載などで多方面に展開しているが,本研究成果を2021年12月には企画展として大阪工業大学梅田キャンパスにて研究の趣旨に沿った博物館的な展示を行う予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画通り,研究会を開催し,各研究分担者は文献調査・文化財調査などを進め,当面の研究成果発表の出版計画も策定した.コロナ禍で資料確認などの目的でのフィールドワークが困難になるなど,一部の研究活動が停滞しているが,新たに幕末から明治維新直後の科学教育史を対象にした天文・窮理学の受容過程の研究,江戸時代に使われた天体中星儀の複製品制作など新たな研究テーマの開拓も行っている.複製品を制作する過程にて,歴史的な背景調査も進み,各分担者の得意分野の相乗効果が発揮されている.本研究活動を紹介する書籍の出版や,解説文の出版も控えており,評価は「順調」と言える.
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Strategy for Future Research Activity |
申請時の研究計画に,文化財複製の研究テーマを加え,年次計画通りに推進していく.また,社会への成果還元の場として,2021年12月には企画展を開くことを決めている.天文教育関係の研究者とも連携し,最先端天文学とのリンクを含め,本研究の試みが継続的になされる方策も打ち出していく予定である. 懸念されるのは,新型コロナ感染症拡大防止のため,研究会の開催・参加やフィールドワークの制限などが継続されることである.本研究課題で開催する研究会については,リモート接続による開催を2021年7月と12月に計画している.しかし,調査のための出張等がなかなか実現できない状況である.長野・京都・大分・長崎等での資料収集などを計画しているが,現在のコロナ禍では実現が難しい.
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Causes of Carryover |
コロナ禍により,フィールドワーク・資料確認などの出張を計画していたが実現できなかった.また,研究会を開催し,遠方からの後援者に旅費等を支給する予定だったが,それもできなかった.2021年度,それらの予定を回復する予定である.
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Research Products
(6 results)