2021 Fiscal Year Annual Research Report
Muslim-Confucian intellectuals of the Cham and syncretism between Islam and Confucianism in Vietnam
Project/Area Number |
19K21648
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
新江 利彦 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 研究員 (60418671)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | イスラーム / 儒教 / ベトナム / チャム / 竈神 / 乳海攪拌 / ウィンドゥ / ナクシャトラ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ベトナム漢文とチャム文による儒教とイスラームにまたがる研究者ネットワークと研究環境の構築である。
2021年度においては、7回の国内調査を行い(国会図書館・東洋文庫・AA研4/11-14、6/29-7/01、9/01-9/04、1/06-08、埼玉インフォーマント宅・東京紙の博物館10/21-24、民族学博物館・大阪大学11/26-28, 岡山~広島各博物館12/24-26)、日本国内所蔵の漢文、アラビア文資料と日本語・英語による先行研究論文を精査し、豪、仏、カンボジア、越の研究者・チャム知識人たちと情報を共有した。また、3つの原史資料-①アーリヤー・ポーチョン異本(チャム王ポーチョンが1822年に退位した後の伐木造船労役等と反乱の史伝、チャム文)、②アーリヤー・ポーポクトゥー異本(チャム王ポーポクトゥーが1828年に即位した後の史伝、チャム文)、③サカライ・ポークック異本(19世紀チャム人によるイスラーム的な創世記について、8ウィンドゥ・12ナクシャトラ(八干十二支)で年代を付したもの、チャム文)のローマ字転写と翻訳を行い、また、④タプッタン(イスラーム入門書)の目録作成、料紙に関するまとめや、コーラン各章節との対比を行った。このほか、ベトナムのチャム居住地で活動するNGO「学び舎つばさ」(本部名古屋)の協力を得て、2021年2月以来毎月第二日曜午前にチャム知識青年のオンライン勉強会を実施し、リジャー「Rija」などの季節ごとの儀礼や儀礼音楽・楽器、儀礼絵画についてチャム知識青年と共に発表し、キン(越人)の竈神版画やインド・カンボジアの乳海攪拌図と比較するなどの考察を行った。
これらの作業により、研究環境の整備を進めることができた。また、同作業の成果物として、共著論文1本、単独口頭発表4本(東南アジア学会大会1、科研費研究会2、AA研共同研究会1)を公開した。
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Research Products
(1 results)