2020 Fiscal Year Annual Research Report
Justice, Liberty, and Artificial Intelligence
Project/Area Number |
19K21676
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宇佐美 誠 京都大学, 地球環境学堂, 教授 (80232809)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大屋 雄裕 慶應義塾大学, 法学部(三田), 教授 (00292813)
松尾 陽 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (80551481)
成原 慧 九州大学, 法学研究院, 准教授 (40647715)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Keywords | 人口知能 / 分配的正義 / 自由 / アーキテクチャ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、人工知能(AI)が著しく発展した近未来の社会経済的状況を見据えて新たな分配的正義理論を提案するとともに、そのような状況における個人の自由への脅威に対して理論的応答を提示することを目的とする。この研究目的を効果的に達成するため、正義班と自由班に分かれて活動しつつ、統合化を推進した。 令和2年度には、前年度に引き続いて(1)各自の理論構築と、(2)共同討議を踏まえた理論の彫琢を行った上で、(3)研究成果の個別的発表、(4)最終成果物論文集の公刊を行う予定としていた。これらの作業はいずれも順調に実施することができた。 (1)理論構築では、①AIが心をもちうる可能性に関する分析、②個人の自律とAIの自律の比較、③人間とAIにおける可謬性・可傷性の考察、④AI時代の権力・自由・ガバナンスの展望、⑤AI大失業の可能性が分配的正義に対してもつ含意の検討などを行った上で、(2)共同討議を実施した。(3)および(4)としては、後掲の諸業績がある。 主要な成果物として、宇佐美が編著者を務め大屋・松尾・成原が寄稿した論文集の他、宇佐美がAI時代の所有・労働を考察した論文、大屋によるAIと人間・社会に関する共編著論文集やAIとルール・人権を扱った諸論文、松尾による情報処理促進のための法改正に関する論文、成原がAIとプライバシーなどとの関係を論じた諸論文やナッジについて考察した国際会議報告などが挙げられる。
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Research Products
(20 results)