2019 Fiscal Year Research-status Report
微酸化銅粒子と低温還元反応を利用したナノ銅吹き出しによる迅速焼結導電膜形成
Project/Area Number |
19K22094
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
米澤 徹 北海道大学, 工学研究院, 教授 (90284538)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
グエン タンマイ 北海道大学, 工学研究院, 助教 (00730649)
徳永 智春 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (90467332)
塚本 宏樹 北海道大学, 工学研究院, 学術研究員 (90629346)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Keywords | 銅微粒子 / 低温焼成 / 導電性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、申請者らが世界で初めて合成に成功したCu64O相を有する微酸化銅ナノ粒子、微粒子を用い、高濃度分散系である銅ペーストを作製し、これを低温で焼成させて、低コスト・高信頼性銅導電性薄膜を作成することを目標としている。 これまでに行ってきた微酸化銅微粒子・ナノ粒子の合成法をさらにチューニングし、粒子径をアレンジすることを可能とした。粒子径のばらつきを減らすための手法についても開発した。これによりより実用性に近い低温焼成銅微粒子となったと考える。得られた銅微粒子を乳化機、ビーズミルで分散させることにもう成功し、この場合にもCu64Oを表面にもっていながらも、銅微粒子のさらなる表面酸化を抑制させることができた。得られたペーストの分散性は十分高く、長期の保存においても特にペースト特性が変化することはなかった。 得られたペーストを基板上に塗布し、すでに研究室に既設である雰囲気制御可能な管状電気炉を用いて、窒素雰囲気下、空気雰囲気下、水素雰囲気下での焼成を検討した。このとき、短時間で焼成する場合には、空気雰囲気下においても焼成が可能で、電気伝導性を発現することが可能であることを確認することができた。さらに、その導電率も低下させることができた。窒素雰囲気下、水素雰囲気下では十分に高い導電性が示された。最低焼結温度はこれまでの200℃付近から100℃台前半にまで達することができたが、まだ、100℃での焼成では導電性は十分には高くなっていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度は、ビーズミルを用いて、80wt%まで銅を含んだペーストの作製にも成功し、低温焼成、特に窒素下での焼成が可能であることを示すなど、本研究で提案する微酸化物を表面にもつナノ粒子を用いた低温焼成による高導電性銅被膜の作製に成功するなど、計画に応じた成果を挙げてきた。今後、論文発表などを着実に行っていく必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは、前年度の成果について学会発表ならびに論文発表を急ぎ行うべく準備をしている。企業での活用についても検証を始めてきた。
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Causes of Carryover |
今年度、人件費、謝金ならびに学会キャンセルで出張がなくなったこともあり次年度使用させていただきたいと考えている。物品費 592,509円、旅費 200千円、その他 200千円とさせていただきたく存じあげる。
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Research Products
(20 results)