2020 Fiscal Year Annual Research Report
含BNカーボンナノチューブのボトムアップ合成法の開発
Project/Area Number |
19K22191
|
Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
畠山 琢次 関西学院大学, 理工学部, 教授 (90432319)
|
Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
|
Keywords | ナノ材料 / 有機導体 / 有機化学 / カーボンナノチューブ |
Outline of Annual Research Achievements |
カーボンナノチューブは,高い導電性,熱伝導性,耐熱性,柔軟性を有しており,次世代の機能性材料として期待されている。一方で,カーボンナノチューブにホウ素,窒素,リンなどのヘテロ原子を導入することで,物性の向上や触媒特性の発現が確認されており,近年,国内外で盛んな研究開発が行われている。しかし,ヘテロ原子の導入数と位置を制御するのは困難である。これに対し本研究では,含BNカーボンナノチューブの精密合成を目指して,その部分構造分子の効率的合成法を確立する。まず,1年目は,タンデムボラFriedel-Crafts反応を鍵反応として用いることで,含BNバッキーボウルの合成中間体となる含BNジベンゾコランニュレン,および含BN高次アセンの短段階合成法の開発に成功した。2年目は,含BNジベンゾコランニュレンの物性測定を行い,フッ素センサーとしての有用性を明らかにした。また,含BN高次アセンは,色純度に優れた熱活性化遅延蛍光を示すことが明らかとなった。今後,各々の特性を利用したデバイス開発が期待できる。更に,拡張π共役系を有する含BNペンタベンゾコランニュレンや含PBNテトラベンゾコランニュレンの合成にも成功した。含BNペンタベンゾコランニュレンは,分子内環化反応により含BNバッキーボウルへの誘導化が可能であり,テンプレート分子として用いることで含BNカーボンナノチューブの精密合成が期待できる。
|
Research Products
(13 results)