2019 Fiscal Year Research-status Report
マナマコの資源増産に向けたパイオニア微生物資源の獲得と利用
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19K22262
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
澤辺 智雄 北海道大学, 水産科学研究院, 教授 (30241376)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
美野 さやか 北海道大学, 水産科学研究院, 助教 (00755663)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Keywords | 水産 / 増養殖 / 微生物 |
Outline of Annual Research Achievements |
生物は絶えず環境の微生物から接触を受け,その親和性の時間軸の長さに応じて,共生や寄生といった宿主-微生物間相互作用にまで,その関係性は緊密化する。宿主―微生物間の相互作用は,生物が誕生した時から開始され,“パイオニア微生物”と呼ばれる微生物がその役割を担うが,生物進化上重要性の高い海洋無脊椎動物由来のパイオニア微生物探査は未知の研究領域である。パイオニア微生物は,宿主が生まれて初めて自身の上皮組織に定着し,細胞あるいは分子レベルで刺激しあい,成長や免疫系の成熟に寄与し,健全性の基盤を築くものと考えられている。本研究では,知見が少ない海洋動物のパイオニア微生物研究の創生を目的とした。目的の達成に向け,マナマコをモデルとした海洋無脊椎動物の宿主の生理状態とそれに付随する微生物群の構造機能のダイナミックな変化を明らかにするため,以下の研究を随時進展させる。1)マナマコ・ホロビオントの全容解明とパイオニア微生物の発掘、2) 易培養性パイオニア微生物とそのゲノム情報コレクションの整備、3) 難培養性パイオニア微生物の取得、4)パイオニア微生物の宿主への影響把握 本年度は,この中で, 1)マナマコ・ホロビオントの全容解明とパイオニア微生物の発掘,および2) 易培養性パイオニア微生物とそのゲノム情報コレクションの整備,を進めた。その結果,受精卵から着底幼生にいたる6つの成長段階の遺伝子情報を取得し,ある時期から菌叢が変化し始めることが示唆された。また,約250株の易培養株を単離し,これらは約30属40種以上から構成されていた。さらに,ナマコ株の比較のため,ウニの培養株の取得も進め,MALDI-TOF-MASSデータベースの整備を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画通り、微生物叢解析および分離株の収集を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
マナマコおよび微生物のゲノム解析情報の収集を進める。
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Causes of Carryover |
ゲノム解析を翌年度に集中して行うため。
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Research Products
(2 results)
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[Presentation] Baseline analyses of gut microbiome changes in gut regenerated Japanese sea cucumber Apostichopus japonicus, and culturing the gut microbiome2019
Author(s)
Juanwen, Y., Yamazaki, Y., Tanaka, M., Jiang, C., Mino, S., Sakai, Y.
Organizer
Marine Biotechnology Conference 2019
Int'l Joint Research
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