2021 Fiscal Year Annual Research Report
生体分子を用いた黄鉄鉱ナノ粒子の合成法の開発と応用
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19K22345
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 道生 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (10647655)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 庸平 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (00359168)
アーサン ナズムル 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任准教授 (00422345)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | パイライト / 黄鉄鉱 / ナノ粒子 |
Outline of Annual Research Achievements |
黄鉄鉱(パイライト)は毒性が無く、鉄と硫黄という元素組成から資源としても豊富に存在することから、次世代の太陽光発電や蓄電池の材料として大きく期待されている。しかしながらパイライトのナノ粒子は合成が困難で、合成しても安定性が悪いことから、工業的に利用されてこなかった。申請者は黄鉄鉱のナノ粒子を生体で合成する深海の巻貝であるスケーリ―フットに着目し、黄鉄鉱ナノ粒子の合成に関与するタンパク質に着目した。スケーリ―フットの貝殻を塩酸により脱灰し、硫化鉄層と炭酸カルシウム層に分離し、硫化鉄層のみを抽出した。硫化鉄層から、さらに変性剤を用いてタンパク質を抽出したところ、パイライトのナノ粒子がバラバラになったことから、変性剤の成分にパイライトナノ粒子を分散させる成分が含まれていると考えられた。その成分に含まれるタンパク質を を用いてパイライトナノ粒子の合成に成功しているが、これを大量に合成することは困難であった。デバイスなどに応用可能か試験するためには、大量にパイライトナノ粒子を合成する必要がある。そこで、大きなバイアルにおいて大量合成が可能になるのか、温度、時間、鉄濃度、シード結晶の有無などを検討した。その結果、シード結晶を使うことで大量のパイライトナノ粒子を合成可能であることが判明した。また、合成したパイライトナノ粒子のバンドギャップを解析するため、粒子の断面をFIBにより作成し、内部構造をTEMを用いて観察した。その結果、パイライトナノ粒子は一つが1-2 nm程度の小さな微結晶から成る多結晶体であることが判明した。
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Research Products
(3 results)