2020 Fiscal Year Research-status Report
培養細胞上の糖鎖抗原変化と自家細胞移植における免疫応答発生機序の解明
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19K22672
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岩崎 倫政 北海道大学, 医学研究院, 教授 (30322803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
テルカウィ アラー 北海道大学, 医学研究院, 助教 (00723074)
古川 潤一 北海道大学, 医学研究院, 特任准教授 (30374193)
宝満 健太郎 北海道大学, 医学研究院, 博士研究員 (40823331)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | マウス軟骨細胞 / 免疫応答 / 統合グライコーム |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、1、継代培養によって放出される前炎症性メディエータの責任細胞を明らかにすること、2、継代培養に伴う糖鎖構造変化が生じる糖鎖クラスを同定することの2点を研究目標とし、研究を実施した。1、各継代の軟骨細胞に対し、同種免疫細胞(マクロファージ)と共培養することにより軟骨細胞の賦活化を確認した。直接共培養では、マウス8週齢から腹腔内マクロファージを採取し、24-wellおよび48-well plateに播種した (どちらも 2.0 × 10^5 cells)。播種3時間後に、標的細胞を同数入れた培地に変更し、48時間共培養後の上清を解析した。間接共培養では、播種3時間後の培地交換のタイミングで、標的細胞を同数播種したTranswell (Φ1.0 mm) をplate上におき、細胞間の直接的接触を回避して賦活化を確認した。賦活化について、qRT-PCR、ELISAの測定で定量評価を行った。さらに、免疫組織学的にIL-6など前炎症性メディエータの染色陽性細胞によって責任細胞を絞り込んだ。2、一般に複合糖質は、異なる生合成経路によってN結合型糖鎖、O結合型糖鎖、グリコサミノグリカン、スフィンゴ糖脂質、遊離オリゴ糖鎖などのサブグライコームに分類されており、一つのサブグライコーム解析で終わることが多い。われわれは、独自の手法によりサブグライコームを統合した糖鎖全体のライブラリーを用いた糖鎖工学的スクリーニングを行い、継代培養に伴う糖鎖構造変化が生じる糖鎖クラスを網羅的に探索した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
包括的糖鎖スクリーニングの結果、継代培養に伴って有意な変化をしているサブグライコームの特定に至った。これら糖鎖マップの全貌は現在も解析中である。免疫生物学的な解析により、継代培養に伴い前炎症性メディエータの経時的増加を認めた。この現象は間接共培養の系では発生せず、免疫細胞との接触が必要であると考えられた。IL-6染色細胞は主にF4/80染色細胞と共染色し、マクロファージに対する免疫応答が増強される可能性が示された。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、特定したサブグライコームに関する糖転移酵素遺伝子のsiRNAを使用してknock-downし、免疫細胞との共培養系で培養細胞の活性化が抑制されるか否かを明らかにすることとする。上記で期待される成果が得られた場合は特許申請を行う予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍における研究活動の制限、必要試薬の輸送遅滞により次年度へ持ち越される実験が発生した。次年度には、ターゲット糖鎖の生合成関連酵素を欠損させる実験を遂行する計画である。
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Remarks |
今後期待される成果が得られた場合は特許出願予定。
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Research Products
(8 results)