2019 Fiscal Year Research-status Report
Histological discrimination by Raman spectroscopy based on causal relationship
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19K22969
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
南川 丈夫 徳島大学, ポストLEDフォトニクス研究所, 准教授 (10637193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安井 武史 徳島大学, ポストLEDフォトニクス研究所, 教授 (70314408)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Keywords | ラマン散乱分光法 / 組織判別 / 抹消神経 / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在のがん手術では,がんの全摘除のみならず,末梢神経の温存手術による術後の患者のQOLの改善も重要な課題となっている.そこで本研究では,研究代表者らがこれまで行なってきたラマン散乱光を用いた組織観察法を基盤に,末梢神経を含む生体組織の非侵襲組織判別法の開発を行う.その際,情報通信分野で注目されている機械学習を取り入れた組織判別アルゴリズムの開発を行う.ただし,一般的な機械学習法(ディープラーニングなど)は,その判別根拠に物理的意味を見出すことは困難である事が多い.そこで,本研究では科学的根拠を明らかにしながらも,機械学習の自動モデル修正アルゴリズムを採用した新たなラマン分光学的組織判別法を実現する. 2019年度は,因果関係に基づいたラマンスペクトル解析の基礎的検討を行った.まず,研究代表者である南川が主担当として,基礎的判別アルゴリズムによる末梢神経,およびその周囲組織の組織判別を行った.次に,その判別に特に寄与しているラマンバンドの同定を行った.また,研究代表者である南川や研究分担者の安井が主担当として,基礎的ラマンスペクトルを計測するためのラマン測定光学系の最適化を行った.その結果,主成分分析を用いた組織判別アルゴリズムを用いて,正診率90%以上を実現する判別アルゴリズムの開発に成功した.また,その際の重要なラマンバンドも明らかにした.さらに,それらのラマンバンドを効率的に取得可能なラマン分光顕微鏡の構築に成功した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り,因果関係に基づいたスペクトル解析アルゴリズムの基礎的検討を実施し,本手法の原理検証を行うことができたため.
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は,当初の計画通り研究が進み,因果関係に基づいたスペクトル解析アルゴリズムの基礎的検討を実施し,本手法の原理検証を行うことができた.そのため,今後も研究計画に則り,科学的根拠を明示する機械学習アルゴリズムの判別能の評価と判別基準の解明を推進していく.
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Causes of Carryover |
当初の予定よりも目標を達成するための開発経費を削減することができたため,また当初予定していた本年度の出張がなくなってしまったため,次年度使用額が生じた.次年度は,本年度からの繰越金を活用して,本研究目的をより多角的に深くアプローチすることができるように,さらなる検討を進めるための,光学部品の購入や旅費に使用する予定である.
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Research Products
(19 results)