2020 Fiscal Year Research-status Report
A Cognitive Semiotic Study on Creative Aspects in Japanese Writing.
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19K23049
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
水野 真紀子 明治大学, 理工学部, 専任講師 (90848566)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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Keywords | 記号論 / 認知 / 文字 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、①鑑賞者が文字を介して書記情報から得ている言外の意味について、②創造的な書記表現についての解釈行為と審美的な鑑賞行為の相違点について、文字を介して視覚・聴覚・言語情報など様々な意味が交差する場である日本語の書記言語について認知記号論的な視座から考察を行うものである。 2019年度は、認知言語学の概念融合理論(Fauconnier and Turner 2002)及び心理言語学の特徴比喩の認知モデル(Kusumi 1987)を援用して、欧米の視覚詩の認知プロセスを分析し、その成果を2019年8月の第12回国際視覚記号論学会に発表した。(題目:An artistic strategy for visual poems: emphasis on thesimilarity)この学会は、記号論の研究を人間の認知の研究とどのように繋げて発展させていくかということが議論の中心となり、今後の研究の方向性を考える上で非常に有意義な意見交換を行うことができた。 日本語の文字を使った作品や表現についても認知モデルをベースとした解釈プロセスの分析の結果に対して、質問紙を用いた統計的調査や眼球運動測定(2019年度の研究費で2020年初めに眼球運動測定装置を導入)などの実験的手法によって得られたデータを照らし合わせ、その検討を行う準備を進めていた。具体的には、この研究で用いた作品例について、眼球運動測定装置を使って視線の経路や停留時間について調べ、分析をさらに発展させていく予定であったが、新型コロナウィルスの感染拡大により、被験者を集めた実験の遂行計画が難しくなったため1年間研究期間を延長した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究では、①質問紙による調査、②眼球運動測定装置を用いた視線の経路や停留時間についての実験、③眼球運動測定装置を用いた美的な受容と知的な理解の間の対照実験を行う予定であったが、新型コロナウィルスの感染流行により、学生を被験者とした調査(予備調査/本調査)及び実験(予備実験/本実験)の遂行が様々な側面において制限があり実行困難であったため、状況が落ち着いて当初の予定通りに進められるのを待つため1年間事業の遂行を延長した。
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Strategy for Future Research Activity |
日本語の創造的な文字表現の例に焦点を当て、眼球運動の測定を行う予定でいたが、新型コロナウィルスの感染拡大により、当初の計画通りに被験者を集めた実験を遂行することが難しい状況が続いているため、実験計画を大幅に変更することを検討している。具体的には、このまま学生と対面で集まる機会が制限され続けるのであれば、オンライン上でやりとりを完結できる質問紙調査を主軸に研究を進めていきたい。 また、2020年7月にドイツのアーヘンで開催される予定であった国際認知記号論学会と、それに先立って行われる眼球運動の測定を用いた認知記号論的な実験デザインについてのワークショップに参加する予定であったが、中止(延期)となったため、オンライン上で開催される研究発表やワークショップ等で成果を発表し、他国の研究者と交流を持つことを目指したい。
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Causes of Carryover |
眼球運動の測定等、学生を対象とした実験を行う予定でいたが、新型コロナウィルスの感染拡大により、当初の計画通りに遂行することが難しい状況が続いたため、研究期間を1年間延長した。
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