教育的介入を用いた小学生の音素認識能力の発達的変化に関する調査

2020 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 19K23093
• Research Institution: Seinan Gakuin University
• Principal Investigator: 中尾 かおり 西南学院大学, 人間科学部, 講師 (80846494)
• Project Period (FY): 2019-08-30 – 2022-03-31
• Keywords: 小学校英語教育 / 音素認識能力 / 文字指導 / 指導者養成

Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は日本語を母語とする小学生の英語の音素認識能力について、現時点でのアルファベット知識と音素認識能力のレベルを調査するとともに、文字指導の教育的介入を取り入れた場合、音素認識能力や心理的側面がどのように変化するのかを明らかにすることである。
昨年度は移行期間に実施した小学生のアルファベット知識及び音素認識テスト（事前調査）のデータ分析をさらに進めた。また調査協力校において、引き続き中学年及び高学年各クラスの外国語活動及び外国語の授業観察を行い、教育的介入前後における児童の音素認識に関する変化を捉えることができた。
一方、新型コロナウイルス感染症の影響により本調査研究において計画の変更が生じた。具体的には、文字指導の教育的介入については、外国語活動及び外国語の授業で小学校教員を志望する学部生による実践を計画していたが、外国語専科教員による文字指導に変更した。そのため、外国語専科教員への文字指導の内容及び手順等のレクチャーを行った後、文字指導の教育的介入前後における中学年及び高学年児童を対象とした音素認識テスト（本調査）を実施した。また、指導者へのインタビュー調査については、感染拡大防止の観点から対面による長時間での実施が困難だったため、文字指導を実践した外国語専科教員に、文字指導前後の児童の様子及び音素認識に関する変化等について聞き取り調査を行った。これまで収集したデータの整理を終えている。今後は教育的介入前後におけるデータの分析及び考察をさらに進めたい。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本研究に対する調査協力校の理解と協力を得ており、調査実施時期や文字指導の内容及び実施方法について打ち合わせを終えていたが、新型コロナウイルス感染症の影響により長期休校や教育活動における制限等もあり計画の変更が生じた。したがって、計画はやや遅れていると言える。

Strategy for Future Research Activity

今後は日本の小学校英語教育における文字指導のあり方を検討すべく、小学生を対象とした音素認識調査で得られたデータの分析、授業観察及び聞き取り調査のデータについてさらに分析を進める。具体的には、これまで収集した量的及び質的データ分析を通して、文字指導の教育的介入前後の小学生の音素認識能力の発達的変化について明らかにするとともに、調査協力校の先生方と効果的な文字指導の方法について検討し提案していきたい。本研究成果については可能な限り発表していく予定である。

Causes of Carryover

2020年度に予定していた参与観察及び研究打ち合わせ、参加・発表予定であった国際学会等が新型コロナウィルスの影響で中止となったため残余が生じた。2021年度は今後の状況次第ではあるが、可能な限り調査研究を実施・報告して計画的に執行する。