2020 Fiscal Year Research-status Report
旧社会主義国間にみられる女性労働の多様性:女性労働を規定する要因の比較分析
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19K23256
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
里上 三保子 創価大学, 経営学部, 講師 (20845391)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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Keywords | 女性労働 / 国家主導 / 国家の役割 / 男女平等 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度末に現地調査に行く予定であったが、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大によりそれが難しくなり、現時点でも現地調査に行ける見通しは立っていない。また、2020年度に参加する予定であった欧州比較経済体制学会も開催延期となってしまったため、大幅な予定変更を余儀なくされている。それに加えて、感染症対策として大学での講義が急遽オンラインになったためこうした状況に対応するのに苦慮したため、2020年度は特に上半期において研究の時間が著しく削られてしまったことは事実である。下半期も特に海外の研究者との交流や国内でも移動の制限が続き、厳しい状況ではあったが、国内でも入手可能な研究資料を利用して、統一以前の東独における女性労働に国家がどのように影響を与えたのかについて分析を行い、その成果を国家の役割再考―ドイツにおける女性労働をめぐって」という論文にまとめた。 現在も日本においてはジェンダー平等が国際的に低い評価となっている現状を受け、政府も「女性活躍」を政策の重点課題と位置付けているが、女性労働についてはこうした「国家の介入」が世界中で当然のように行われているが、本論文はこうした国家の介入はどのような影響を与えるのか、ということについて、強力に国家の介入によって女性労働の拡大がすすめられた東独を事例に分析を行ったものである。 論文の執筆過程においては、オンラインで開催された研究会や、唯一対面で開催された「京都大学経済研究所共同利用共同研究拠点・一橋大学経済研究所共同利用共同研究拠点/ロシア研究センター合同コンファレンス「新興市場の比較経済分析:中国・ロシア・東欧」」でも研究報告を行い、そこでの議論を踏まえ、最終的に論文として2021年7月に文真堂より刊行予定の『国家資本主義の経済学(仮)』(溝端佐登史編著)に所収されることになっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要でも述べたとおり、2019年度末からの新型コロナウイルス感染症拡大によって、当初予定していた現地調査や海外の研究者との交流に大きな困難が生じている。また2020年度は時間的制約も大きかった。そのため、当初の計画通りに研究を遂行することが難しくなったため、国内で、かつ移動の制限や施設利用の制限がある中でも可能なことで研究を進められるように、計画の変更を行った。その計画の修正のために研究の進捗状況は遅れているが、今年度で当初の研究計画を貫徹できる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度も海外の現地調査に行くことはほぼ不可能であることには変わりがないと考え、オンラインや国内で入手可能な状況にある資料に絞って研究を進める。同時にオンラインで海外研究者との交流を持ちつつ、場合によっては海外の研究者に協力を依頼して資料の入手を行うことを検討している。そのため、当初の研究計画よりも旅費は大幅に削減されるが、資料代や通信費が大幅に増加することが考えられる。許容される範囲の中で工夫しながら柔軟にその時出来る限りの方法で研究を進めることにしたい。
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Causes of Carryover |
当初の計画で予定していた海外での現地調査や海外での学会報告といったものが、新型コロナウイルス感染症の影響ですべて不可能になってしまったため、研究計画を大幅に変更し、国内で、かつ様々な制約の中で行える研究ということになった。そのため、費目も当初の申請とは異なることになる予定である。
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Research Products
(4 results)