2019 Fiscal Year Research-status Report
ボランティア活動者の社会的意義の扱いかたについての社会学的研究
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19K23257
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Research Institution | The Graduate School of Information & Communication |
Principal Investigator |
富井 久義 社会情報大学院大学, 先端教育研究所, 准教授 (10845647)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | ボランティア / 森林ボランティア / 社会的意義 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、1950年前後生まれコーホートである東京都西多摩地域の森林ボランティア活動の初期の中核的担い手が、活動をどのように構想・実践してきたのかを、担い手のライフコースに着目しつつ明らかにするものである。 研究課題の初年度である本年度は、本研究課題に関連して収集してきた既存資料の整理・分析と、関連文献の収集を中心におこなった。具体的には、本研究課題で中心的に取り上げる中核的活動者についての聞き取り調査のデータや、その所属団体の会報や機関誌、中核的活動者から譲り受けた資料について、本研究課題の目的に即して読み込んだ。 これによって、1)中核的活動者のあゆみは、時代状況の影響を共通して受けつつも、それぞれの関心や来歴によって多様なものであること、2)聞き取り調査時点での関心事と過去の出来事に際して有していた関心事は異なる場合があり、それが他の活動者の聞き取り調査とそのデータの読み込みによって浮かび上がってくること、3)活動者自身が活動をめぐる世代論を語っており、その語り方自体が分析の対象になりうることが明らかになった。 こうした分析を踏まえたうえで、今後必要となる聞き取り調査や資料収集のポイントをまとめた。すでに1回以上聞き取り調査をしたことのある対象者については、本研究課題の目的に即してこれまでに語られてこなかった項目を整理して追加調査の聞き取り項目をまとめ、本研究課題のなかであらたに聞き取り調査を予定している対象者にたいしては、共通して実施する調査項目にくわえて、個別に聞き取るべき内容の精査をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度の聞き取り調査や関連する資料収集は、春季休業期間に集中的に実施する予定であったが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によって対面での実施が困難となり、延期とせざるをえなかった。そのため、当初計画に比して進捗にやや遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、聞き取り調査を実施できる環境が整い次第、順次聞き取り調査を進めていく。場合によっては、オンラインや電話等での聞き取り調査の実施も検討することで、本申請課題の着実な推進につとめる。
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Causes of Carryover |
春季休業期間中に実施を計画していた聞き取り調査が実施できず、旅費と聞き取り調査にかかる物品費を執行できなかったため。次年度は、聞き取り調査を実施できる環境が整い次第、次年度分の計画とあわせて聞き取り調査を実施することで、使用する。
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