2019 Fiscal Year Research-status Report
認知特性への着目による授業のインクルーシブ化に関する研究
Project/Area Number |
19K23339
|
Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
松尾 奈美 島根大学, 学術研究院教育学系, 講師 (20842850)
|
Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
|
Keywords | 知能のPASS理論 / 認知処理様式 / インクルーシブ教育 / 授業改善 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、広島県と島根県において、研究対象校におけるフィールドワークを行い、また鳥取県と連携して、フィールドの開拓を行った。 また、研究対象校において、通常学級に所属する支援が必要な児童生徒に対してDN-CASを実施し、ディスクレパンシー・一貫性アプローチを用い、当該生徒の認知特性にみられる得意不得意を明らかにし、分析・解釈を加えることで、指導方針を決定し、授業改善に役立てた。これらの結果は、2019年9月29日に、日本教育方法学会にて「インクルーシブ授業にむけた認知検査利用に関する試み―個別検査 DN-CAS と簡易チェックリスト PRS の併用をとおして―」と題して報告した。 さらに非認知能力の育成において着目される「Tools of mind」に注目し、認知と非認知の接続について理論的に明らかにしようとしている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、イギリス、オーストラリアで行う予定であった調査の目途が立っておらず、中断を余儀なくされた。また、全国的な休校などの影響で、フィールドワークを再開できないでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、まずは島根大学教育学部附属義務教育学会を中心に、PASS評定尺度を用いて学級全員の認知特性を把握し、個別検査と簡易チェックリストの併用の可能性について、理論的・実践的に、その可能性と課題を明らかにする。当該生徒及び、学級の認知特性に着目した授業実践において、いかに学び合いが行われたか、認知特性の異なる児童生徒がいかに学び合えるか、検証する。 また、引き続き「Tools of mind」を中心とする理論・実践に着目し、認知・非認知をつらぬく理論の構築に取り組む。
|
Causes of Carryover |
コロナウイルス感染拡大に伴い、フィールドワークや海外での調査研究の延期を余儀なくされたため、主に旅費として計上予定であったものを、2020年度に回すこととした。2020年度でも、海外での調査研究は行えない可能性が高いため、国内旅費や書籍代などとして使用することとしたい。
|
Research Products
(1 results)