2019 Fiscal Year Research-status Report
MEMSセンサを用いた乱流燃焼壁面熱伝達の評価手法開発とメカニズム解明
Project/Area Number |
19K23492
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
出島 一仁 滋賀県立大学, 工学部, 講師 (20846810)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 熱流束測定 / 乱流熱伝達 / 相関解析 / MEMS |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,乱流燃焼場における壁面熱伝達メカニズムの解明へ向けて,微細加工技術の一種であるMEMS(Micro-Electro-Mechanical Systems)技術を用いてサブミリメートルスケールの微小薄膜多点温度センサを製作し,高分解能かつ信頼性の高い壁面温度・熱流束測定を実施する.さらに,隣接点で得られた熱流束波形に対する相互相関解析と連続の式の適用により,壁面近傍の流体塊の移流速度を推定し,熱伝達と流動を同時に捉える手法の開発を目指している. 2019年度は,シリコン基板上に一辺235ミクロンの測温抵抗体を3×3個形成したセンサを試作し,加熱空気の間欠噴流が衝突する際の壁面温度・熱流束測定を行った.計9個の測温抵抗体はそれぞれ間欠噴流による温度変化を捉え,得られた温度を境界条件とした3次元非定常熱伝導解析によって熱流束を算出することができた.さらに,隣接点で得られた温度変動に対して相関解析を行い,温度変動の位相遅れから壁面平行方向への移流速度を推定するプロセスを構築することができた. 2020年度には,相互相関解析に加えて連続の式の適用により,壁面垂直方向の流動を捉えることを目指す.さらに,PIV(Particle Image Velocimetry)による速度場の同時測定を行い,本手法による流速推定の妥当性を検証する.妥当性の検証ができたのち,燃焼場へ適用して流動と熱伝達の関係性を調査する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新たな環境においてMEMSセンサを製作可能なことが確認できた.製作したMEMSセンサによる9点同時温度測定を実施し,さらに,3次元非定常熱伝導解析によって熱流束を算出することができた.壁面近傍の流速を推定するためのプロセスも構築することができたため,次年度の前半でその妥当性を検証し,後半には燃焼場での計測を実施することで目標達成を目指す.
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度に実施したセンサ製作および実験により,壁面温度・熱流束の9点同時測定が可能であることが確認できた.さらに,相関解析による流速推定プロセスを構築した.2020年度は,本手法による流速推定の妥当性を検証するためにPIVとの同時測定を実施し,流動と熱伝達を同時に捉えるという目的の達成を目指す.さらに,本センサを乱流燃焼場へと適用し,流動と熱伝達の関係性を調べる予定である.
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Causes of Carryover |
消耗品を購入予定であったが残額では不足したため,次年度予算と合わせて購入予定である.
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