2019 Fiscal Year Research-status Report
板状部材を利用した高汎用性ミニチュア超音波モータの開発
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19K23526
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Research Institution | Akita Industrial Technology Center |
Principal Investigator |
小松 和三 秋田県産業技術センター, 先進プロセス開発部, 主任研究員 (00827719)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 超音波モータ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,湾曲板状部材と積層型圧電素子を用いた超音波モータのモデルを作成し,有限要素解析を行った.また,超音波モータの動作確認と駆動性能評価のための回転駆動検証装置と直動駆動検証装置を設計し製作した. まず,湾曲板状部材と積層型圧電素子を用いた超音波モータのモデルでは,断面2.0×3.0 mm,長さ5.0 mmの積層型圧電素子に変更し超音波モータのモデルを作成した.本超音波モータは,りん青銅製の曲げ加工した板厚0.2 mmの湾曲板状部材と,断面2.0×3.0 mm,長さ5.0 mmの積層型圧電素子を組み合わせた構成である.積層型圧電素子の一端は湾曲板状部材と接着剤により固定し,他端は固定部材に接着固定されている.湾曲板状部材は移動体側に凸形状となっており,曲率半径を5.0 mm,板幅は積層型圧電素子と同じ3.0 mmとした.有限要素解析による超音波モータの振動モード解析では,固有振動数が5.2 kHz,27.3 kHz,75.3 kHzであり,その際のモード形状が,駆動するのに有効な駆動周波数であると考えられる.さらに,積層型圧電素子に印加する電圧と入力信号を有限要素解析ソフト上で設定し,積層型圧電素子と湾曲板状部材の変位挙動を確認した. 次に,超音波モータの動作確認と駆動性能評価のための回転駆動検証装置と直動駆動検証装置では,移動体に,回転駆動ではSUS304製の直径15 mmのベアリング,直動駆動ではSUS304製の直径3.0 mmのシャフトを用いて,装置を設計製作した.また,予圧は超音波モータを固定したXYステージにより,湾曲板状部材を移動体に押しつけることで負荷する機構とした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実施計画で使用を想定していた断面1.2×1.2 mm,長さ2.47 mmの小型圧電素子の生産が中止され,代替の圧電素子を検討中である.そのため,現状入手可能な圧電素子で最小サイズである断面2.0 mm×3.0 mm,長さ5.0 mmの圧電素子を用いて解析を行っている.使用を想定していた圧電素子のサイズは異なるが,有限要素解析では駆動原理や湾曲板状部材の挙動について確認することが出来ている.また,回転駆動検証装置および直動駆動検証装置の設計と製作が完了しているため.
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は,現状入手可能な圧電素子で最小サイズである断面2.0 mm×3.0 mm,長さ5.0 mmの圧電素子を用いて超音波モータを試作し,本モータの基礎特性となる変位特性と周波数応答特性を計測する.次に,試作した超音波モータを回転駆動検証装置,直動駆動検証装置に配置し,モータの回転数,速度,推力,回転トルクを計測し,性能を評価する予定である.なお,実施計画で使用を想定していたサイズの圧電素子の代替となる圧電素子を調査し,入手可能であれば,試作する超音波モータのサイズダウンを実施する.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症により,学会等の中止や技術調査が困難であったため,旅費を使用することが出来なかった.また,予定していた物品が入手できなかったため. 来年度は対外発表や技術調査等のために有意義に使用したい.
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