2019 Fiscal Year Research-status Report
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19K23946
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
松井 尚子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 特任助教 (10547954)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 重症筋無力症 / 胸腺上皮細胞 / B細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに新生児胸腺を用い、CD45(-)EpCAM(+)分画において、皮質胸腺上皮細胞(cTEC)と思われるCD205(+)Claudin3(-)分画と、髄質胸腺上皮細胞(mTEC)と思われるCD205(-)Claudin3(+)分画を確認し、mTECとcTECの単離を行った。クラスター解析ではcTECとmTECは概ね別クラスターに分かれた。さらにcTECサンプルにおいて、cTEC関連遺伝子であるPSMB11、LY75、PRSS16、CTSLを、mTECサンプルにおいて、mTEC関連遺伝子であるAIRE、CLDN3、CTSS、TNFRSF11Aの発現を認めた。ヒト胸腺での上皮細胞の分離を確立しつつあり、国内で研究成果に関する報告を行った(第31回日本神経免疫学会)。 また、末梢血は健常者12名と重症筋無力症(MG)患者14名より、胸腺はMGのない小児14名、成人20名、MG患者22名よりサンプルを得てフローサイトメトリーによる解析を終了した。末梢血においては健常者に比べ、MG患者において、ナイーブB細胞とメモリーB細胞が有意に増加していた。プラズマブラスト分画もMG患者で増加している傾向にあったが、有意差はなかった。胸腺においてはコントロールである小児や成人に比べ、MG患者ではメモリーB細胞やプラズマブラスト分画が有意に増加していた。胸腺由来B細胞はコントロールと比べてMG患者で特に変化はなかった。これらの結果はMG患者の胸腺において、胸腺由来ではなく、末梢由来のB細胞が胸腺に移入し、プラズマブラストへの分化が促進することで、MGの病態に関与している可能性が示唆された。末梢血単核球と胸腺細胞を用いたB細胞の解析についても、国内で研究成果に関する報告を行った(第31回日本神経免疫学会、第39回日本胸腺研究会)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒト胸腺での上皮細胞の分離については、単離できる細胞が少ないことや、mTECのマーカーに関する検討が不十分であることが問題となっている。 一方で末梢血や胸腺のサンプリングは順調に進行しており、B細胞サブセットに関する解析は順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒト胸腺での上皮細胞の分離については、さらに精度の改良を試みることで、成人やMG患者の胸腺を用いた胸腺上皮細胞の解析への応用を目指したい。 胸腺内で増加していたプラズマブラストについて、活性化マーカー(CXCR5, BAFFR, HLA-DRなど)の確認を行う。 さらにプラズマブラストと罹病期間や重症度、治療内容に相関があるかを検討し、誌上発表を目指す。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由:本年度は国内中心の成果発表を行い、国外での成果発表は次年度に行うこととなったため 翌年度分として請求した研究費と合わせた使用計画:次年度に今年度行う予定であった追加実験を行うこととなり、次年度使用額が生じた。
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Research Products
(4 results)
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[Presentation] B cell subsets and T follicular helper cells in myasthenia gravis thymus2019
Author(s)
Yohei Yamamoto, Naoko Matsui, Fumiko Oda, Yukiko Ozawa, Tetsuya Kanai, Akiyuki Uzawa, Izumi Ohigashi, Hiroyuki Kondo, Kazuya Kondo, Tetsuya Kitagawa, Takashi Yamamura, Satoshi Kuwabara, Yuishin Izumi, Ryuji Kaji
Organizer
第60回日本神経学会学術大会
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