2020 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K23946
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
松井 尚子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 特任助教 (10547954)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 重症筋無力症 / 胸腺 / B細胞 / プラズマブラスト |
Outline of Annual Research Achievements |
新生児を含む、小児胸腺5例について皮質胸腺上皮細胞(cTEC)ならびに髄質胸腺上皮細胞(mTEC)を単離し、RNAシークエンスによる網羅的遺伝子発現解析を行った。さらに、重症筋無力症(Myasthenia gravis, MG)患者の胸腺におけるB細胞異常パターンを検索した。 心臓手術(小児15名と成人10名)もしくは胸腺摘出術を受けた(MG非合併の胸腺腫患者12名とMG患者25名)際の胸腺を用いた。胸腺細胞を単離し、ナイーブ B細胞: CD3(-)CD19(+)CD27(-)、メモリーB細胞: CD3(-)CD19(+)CD27(+)、プラズマブラスト: CD3(-)CD19(+)CD27(+)CD180(-)CD38high, B220highThymic B細胞: CD19(+)B220highをフローサイトメトリーで解析した。プラズマブラスト中のBAFF-RやCXCR-5のMFIを評価した。また胸腺中のB細胞サブセットと臨床像(年齢、罹病期間、抗体価、MG-ADL)との相関についても検討した。 MG非合併胸腺中のメモリーB細胞の頻度は年齢との間に正の相関がみられた。MG患者の胸腺ではMG非合併の小児・成人と比べてメモリーB細胞とプラズマブラストが増加しており、プラズマブラスト中のCXCR5の発現も有意に上昇していた。胸腺のメモリーB細胞と臨床像の間に有意な相関はみられなかったが、胸腺中のプラズマブラストの割合とMG-ADLの間には正の相関を認めた。 MG患者胸腺ではプラズマブラストが増加しており, 胸腺中のプラズマブラストの増加は病勢に関与している可能性が示唆された。 第60回日本神経学会学術大会(2019年)、第31回日本神経免疫学会学術集会(2019年)、第21回日本神経免疫学会学術集会(2020年)にて成果発表を行い、現在胸腺B細胞に関連した論文を投稿中である。
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Research Products
(2 results)