2019 Fiscal Year Research-status Report
宿主免疫機構の発達に必要な腸管微生物叢曝露の時機・内容と炎症性腸疾患病態への関与
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19K23977
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
三好 潤 杏林大学, 医学部, 学内講師 (10528722)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 腸内微生物叢 / 免疫発達 / 無菌マウス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の第一目的は、無菌マウスを用いて腸管微生物叢(microbiota)への曝露タイミングや微生物叢の構成内容が宿主の免疫発達に与える影響を探索することである。研究実施計画は2つの実験計画からなる。一つ目は、3、7および11週齢の無菌マウスに週齢・性別が一致するSPFマウスの腸管microbiotaを移入し、4週間後にレシピエントの免疫状態がドナー類似に変化するかを検討することである。これにより、腸管microbiotaへの曝露タイミングを明らかにすることを目指す。二つ目は、3週齢の無菌マウスに、性別が一致する3週齢または11週齢SPFマウスの腸管microbiotaを移入して移入4週後の免疫状態が7週齢SPFマウスに類似するかを検討することである。腸管microbiotaの微生物構成は週齢とともに変化することが知られている。これにより、宿主の健全な免疫発達に必要な微生物叢の構成が週齢特異的であるかどうかを明らかにすることを目指す。今年度は、無菌マウスを含む動物飼育が困難な状況となったため、上記の研究実施計画に沿った動物実験および解析の準備、予備検討を行った。動物実験計画書は提出済みである。糞便からのDNA抽出は安定して実施でき、腸管検体からのRNA抽出、cDNA作成も実施可能である。解析ターゲットとなる各種サイトカインなどのプライマーも用意できており、qPCR の実施が可能となっている。これらにより、解析用の動物検体が得られ次第、当初の研究実施計画に含まれる腸内細菌叢や宿主の免疫状態の解析を行える状況にある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
実験動物飼育室の改修工事、その後のCOVID-19感染拡大により、動物飼育が困難な状況となった。無菌マウスの飼育には専用のアイソレーターの立ち上げが必要であり、実験を開始すると中断することができない。そのため安定した飼育環境が確保できると判断されるまで、各種解析の準備、すでに保有していたマウス検体を用いた実験手技の確立を含めた予備検討を先行することとした。
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Strategy for Future Research Activity |
無菌マウスを含む実験動物の飼育再開が可能となり次第、速やかに当初の研究実施計画に沿った、動物実験を開始する。各種解析の準備は概ね完了しており、動物検体が得られれば、順次解析を行っていく。
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Causes of Carryover |
今年度は、実験動物飼育室の改修工事、その後のCOVID-19感染拡大により、動物飼育が困難な状況となった。無菌マウスの飼育には専用のアイソレーターの立ち上げが必要であり、安定した飼育環境が確保できると判断されるまで、各種解析の準備、すでに保有していたマウス検体を用いた実験手技の確立を含めた予備検討を先行することとした。そのため次年度使用額が生じた。マウス飼育が可能となり次第、当初の研究実施計画に沿って、マウス飼育、検体採取・解析を行うことにより使用する。
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